4月20日、有翼式再使用ロケットを開発するSPACE WALKERが、JAXAより資金調達を実施したことを発表しました。JAXAによる民間企業への出資は2回目です。出資額は公表されていません。

SPACE WALKERは、有翼式再使用ロケット開発の一環として複合材タンクを開発しています。このタンク技術は機体の軽量化につながるとともに、地上の液化ガスタンクローリーや水素ステーションへの導入など、地上における事業化への活用を目指しています。この開発にはJAXAの研究開発成果が活用されているということです。

JAXAは、2021年4月に改正された「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」により、企業への出資や人的・技術的援助業務を行うことができるようになりました。この法改正をうけて、JAXAは2022年4月に出資を希望する成果活用事業者の募集を行い、応募企業の中から審査等を経て今回の出資決定に至りました。

宙畑メモ
成果活用事業者とは研究開発法人の研究開発成果を、民間の事業活動で活用する事業者のことです。JAXAでは、シード・アーリー期の企業で、
①主にJAXAの知的財産を利用した事業を行い、所定の審査を受けた企業
②JAXAの知的財産権などを活動する事業を目的とする企業
を対象としています。特に①はJAXAベンチャーと呼ばれます。

SPACE WALKERの代表取締役・眞鍋顕秀氏は、

「今回の資金調達を機に、日本で40年以上かけて培ってきた「世界に誇るモノづくり技術」をもとにした官民一体のより強固なチーム体制で、次世代産業を牽引をする存在となることを期待しています」

とコメントしています。

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参考

株式会社SPACE WALKERへの出資について

SPACE WALKER、民間ロケット開発企業として初めてJAXAから資金を調達。 有人宇宙飛行を目指すサブオービタルスペースプレーン開発の促進へ

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