NTTデータ経営研究所は、NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「子育て当事者の課題と子育て支援策のニーズ調査」を実施し、結果を公表した。

同調査では、日本の少子化問題の加速を背景に、国内在住の20代~50代の男女を対象に子育て当事者の課題と子育て支援策のニーズに関してアンケート調査を行い、以下のことが明らかとなった。

【主な調査結果】

1.少子化対策に向けた子育て当事者の課題解決では「身体的負担(疲労感)が大きいこと」「家事の負担が大きく、時間的余裕がないこと」「子どもをずっと見ていなければならず、安らぐ時間がないこと」の解決が重要である。

真っ先に解決したい子育ての課題と、子どもを持つことに対する阻害要因と感じる課題を相関分析すると、両者には相関があるといえることがわかった。

中でも「身体的負担(疲労感)が大きいこと」「家事の負担が大きく、時間的余裕がないこと」「子どもをずっと見ていなければならず、安らぐ時間がないこと」において真っ先に解決したい課題、子どもを持つことに対する阻害要因と感じる課題の割合が高い。

このことから同社は、子育て上、ひいては少子化対策に向けた課題解決では前述の3項目の解決が重要となることがわかったとしている。

少子化の観点から優先的に解決すべき課題(N=1029)

2.子育て関連サービスの認知・利用拡大の余地は大きい。

子育てサービスの認知状況・利用状況を調査したところ、「料理、洗濯、掃除等の家事代行により、時間短縮・負担軽減につながるサービス」の認知度が最も高く、次いで「子育ての悩み共有・相談や、子育ての情報交換・勉強会の実施等、子育てに関する漠然とした悩みを解決するサービス」が高かった。

一方で、多くのサービスにおいて「知らない」という回答が約半数およびそれ以上の割合を占めており、認知拡大の余地が大きいことが伺える結果をなった。

また、利用状況については、「子育ての悩み共有・相談や、子育ての情報交換・勉強会の実施など、子育てに関する漠然とした悩みを解決するサービス」が6.7%で最も高くなっている。

次いで「医師への相談や保育士等の専門家に対する悩み相談サービス」「子育ての一時預かりや病児保育、地域での見守り等、一時的に目を話すことができるサービス」など、悩み相談や一時預かりのサービスの利用割合が比較的高いことが判明。

サービスの認知、利用の状況(N=1029)

3.「急病への対応」「サービスの情報収集」「手続きのオンライン化」など、様々な場面で一定のサービス利用意向がみられた。

次に、サービス利用のない人に対して各サービスの利用意向を調査したところ、「子どもの急病時における医師の自宅駆けつけサービス」の利用意向が最も高くなった。

次いで「あらゆる行政・民間のサービスが1つにまとめられ、そこからサービス情報を得たり利用ができるサービス(ポータルサイトのようなもの)」「子ども関連の行政手続きや、母子保健関連の各種情報について、オンラインで管理できるサービス」が高くなっている。

同社は、これらのサービスはいずれも認知度が50%以下のサービスであったことから、認知度拡大によって今後の利用拡大が期待できるとしている。

サービスの利用意向(N=986)

4.費用負担が子育て関連サービスの利用意向を阻害する大きな要因になっている。認知の拡大も課題。

子育て関連サービスを「使ってみたいと思わない」理由について調査したところ、「費用が高い/高そう」といった回答が全サービスにおいて突出して高い割合を占めた。

各サービスを使ってみたいと思わない理由(N=1029)

また、「その他、子育て関連サービスに関する要望や行政に期待すること」では、費用負担軽減を求める意見が多数を占め、費用負担がサービス利用の大きな阻害要因の1つとなっていることが伺える。

加えて、サービス認知向上に関する意見として、デジタル活用の有効性も確認。

その他、子育て関連サービスに関する要望や行政に期待すること(自由回答)

同社は、以上の考察とサービス認知拡大の余地が大きい現状を踏まえると、子育て関連サービスの利用促進策として費用面の補助とデジタル活用によるサービスアクセシビリティの向上が効果的であるとしている。。

<参考>
TTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション『子育て当事者の課題と子育て支援策のニーズ調査