ソノリテは、①従業員数500人以上の企業で正社員として働く20~30代の人、②部長クラス以上の人を対象に、「企業の在宅勤務」に関する調査を実施。

在宅勤務は、コロナ禍による自粛だけでなく、育児や介護、自身の健康、自宅と会社の距離などの理由から、毎日出社することが困難な人でも、退職しなくても働き続けられるため、とても便利な制度と言える。

こうした背景とインターネットの普及により、在宅勤務を導入する会社は増加傾向にある。会社に出社するかどうかは個人の裁量に委ねられ、会議やミーティングはほぼリモートでという企業もかなりの数になるのではないかと推察されている。

一方で、在宅勤務は実際に出勤する場合と比べると、同僚や上司、部下とのコミュニケーションがとりにくく、仕事の効率が上がらないと感じている人も少なくないとのことだ。

では、実際に働いている人たちは、在宅勤務に関してどのように考えているのか。また、会社での立場によって在宅勤務に関する考えは違ってくるのか。

そこで今回、リモートワークをサポートするWEBアプリ『ワカチエ』の運営を行っているソノリテは、①従業員数500人以上の企業で正社員として働く20~30代の人、②部長クラス以上の人を対象に「企業の在宅勤務」に関する調査を実施。

【調査結果のポイント】

  • 在宅勤務、出社勤務を希望する人はほぼ同数。7割以上の人が在宅勤務のメリットは通勤にかかる時間やストレスが減るとこと回答
  • 約4人に1人が出社を命じられた経験あり
  • 4割以上の管理職の人が、出社勤務を希望
  • 在宅勤務は「社員(部下)の表情が分からない」と47.5%の管理職の人が回答

【在宅勤務派は約半数】在宅勤務と出社勤務、どちらがいい?

はじめに、勤務形態について従業員数500人以上の企業で正社員として働く20~30代の人に在宅勤務と出社勤務、どちらがいいかの質問を実施。

「在宅勤務(リモート勤務)と出社勤務はどちらを増やしたい(どちらで働きたい)と思いますか?」と質問したところ、『在宅勤務(49.9%)』『出社勤務(50.1%)』という回答結果となり、在宅勤務を希望する人と出社勤務を希望する人がほぼ同数であることがわかった。

では、在宅勤務にどのようなメリットを感じているのか。

そこで、「在宅勤務のメリットを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『通勤にかかる時間やストレスが減る(75.2%)』と回答した人が最も多く、次いで『ワークライフバランスが実現できる(43.6%)』『勤務地の制限がない(41.6%)』と続いたとのことだ。

7割以上の人が通勤のための時間やストレスから解放されることと回答し、4割以上の人がワークライフバランス実現と、職業選択を勤務地に縛られず行えることを挙げている。

約4人に1人が出社命令が出た経験があると回答

上記の質問で、約半数の人が在宅で働きたいと考えていることがわかったが、では、どのくらいの頻度で在宅勤務をしているのか?

「どれくらいの頻度で在宅勤務していますか?」と質問したところ、『在宅勤務は行っていない(65.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『週に2、3回程度(10.1%)』『ほぼ毎日(7.5%)』と続いたという。

6割以上の人が在宅勤務をしていないようであるが、在宅勤務をしている人は週に2、3回程度や、毎日と回答した人が多いことがわかった。では、在宅勤務をしたいのに出社するように言われたことなどはあるのか。

そこで、「在宅勤務をしたいのに出社命令が出た経験はありますか? 」と質問したところ、『ある(25.8%)』『ない(74.2%)』という回答結果になった。約4人に1人が在宅勤務を希望しているのにも関わらず出社を命じられた経験があることがわかった。

続いて、「出社のほうが好ましいと思う業務は全体でどのくらいありますか?」と質問したところ、『ほぼすべて(9割以上)(35.3%)』と回答した人が最も多く、次いで『7~8割ほど(18.3%)』『5~6割ほど(17.0%)』『ほとんどない(2割以下)(17.0%)』と続いた。

約半数の人が在宅で働くことを希望しているものの、業務レベルで考えると、3割以上の人がほぼすべての業務が出社して行うほうが望ましいと感じていることがうかがえる。在宅勤務では、対面ではない分障壁となることも多いのかもしれない。

【出社勤務を望む管理職が4割以上】在宅勤務のメリットとデメリット

先ほどの調査結果で、約半数の若手社員が在宅勤務を希望していることがわかった。では、部長クラス以上の管理職の人は在宅勤務についてどのように考えているのか。ここからは、部長クラス以上の人に調査。

「社員(部下)には在宅勤務(リモート勤務)と出社勤務のどちらをしてほしいと思いますか?」と質問したところ、『在宅勤務(53.6%)』『出社勤務(46.4%)』という回答結果になった。

4割以上の管理職が出社勤務を望んでいるという。では、どのような理由から在宅勤務や、出社勤務を望んでいるのか。

前の質問で『在宅勤務』と回答した人に、「在宅勤務と回答した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『業務を効率化できるから(51.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『コストを削減できるから(48.9%)』『社員(部下)のワークライフバランスが充実するから(41.4%)』と続いた。

半数以上の人が業務の効率化を、半数近くの人がコスト削減を挙げ、在宅勤務の合理的な側面をメリットと感じているとのことだ。さらに、ワークライフバランスが充実するからという社員(部下)を思いやる回答も4割以上見られたという。

では、出社勤務を希望している人は、どのような理由があるのか。

続いて、前の質問で『出社勤務』と回答した人に、「出社勤務と回答した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『社員(部下)とコミュニケーションが取りやすいから(73.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『生産性が上がるから(39.7%)』『勤怠管理がしやすいから(36.4%)』と続いたという。

社員(部下)とコミュニケーションが取りやすいからという理由が他を引き離して圧倒的多数で、7割以上に達した。コミュニケーションという側面では対面に勝るものはないと考えられていることがうかがえる結果となった。

【社員(部下)とのコミュニケーションに問題あり】在宅勤務の課題

上記の質問で、半数以上の管理職の人が、社員(部下)には在宅勤務(リモート勤務)をしてほしいと思っていることが明らかとなった。では、自身の勤務についてはどちらを希望しているのかを調査。

「ご自身は、在宅勤務(リモート勤務)と出社勤務のどちらをしたいと思いますか?」と質問したところ、『在宅勤務(53.6%)』『出社勤務(46.4%)』という回答結果に。自身に関しても、半数以上の人が在宅勤務を望んでいることが明らかになったという。

では、在宅勤務を望んでいるものの、在宅勤務に対し何らかの問題点を感じているのか調査。

そこで、「在宅勤務では具体的にどのような問題点があると思いますか?(複数回答可) 」と質問したところ、『社員(部下)の表情が分からない(47.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『コミュニケーション不足(43.1%)』『マネジメントが難しい(37.0%)』と続いたという。

社員(部下)の表情が分からないと回答した人が半数近く、コミュニケーション不足と回答した人が4割以上見られ、社員(部下)のメンタリティやモチベーションがどのような状態であるかの確認やコミュニケーションが円滑に行えないという問題点が指摘された。

また、業務の量や質を把握し辛くなりマネジメントが難しいという意見も見られたという。

【調査概要】
調査内容:「企業の在宅勤務」に関する調査
調査期間:2022年12月22日~2022年12月24日
調査方法:インターネット調査
調査人数:①507人、②522人
調査対象:①従業員数500人以上の企業で正社員として働く20~30代の人、②部長クラス以上の人
モニター提供元:ゼネラルリサーチ