パナソニックは、パナソニックエオリアユーザーのデータを元に、今年のエアコン暖房利用者の「設定温度」と「室内温度」の実態を調査し、結果を公表した。
■今年のエアコン暖房利用者の「設定温度」と「室内温度」は環境省推奨20℃よりやや高めに
環境省が提示するウォームビズの指針によると、暖房時の「室内温度」は20℃が目安とされているが、エアコンの「設定温度」を分析したところ、今年の暖房利用が増加し始めた10月~11月中旬の期間、暖房利用者の平均「設定温度」 の分析では「25℃」が最多という結果に。
続いて、23℃に設定している人が多く、22℃~25℃がボリュームゾーンであることがわかった。
さらに、エアコンを使用した結果としての部屋の室温を表す「室内温度」についても分析。ウォームビズで呼びかける「20℃」は、この「室内温度」を指してるが、同期間内の平均「室内温度」は22℃と、環境省の提示する「20℃」よりも高めであることがわかった。
調査の結果から、今年の暖房利用状況について、「設定温度」がやや高めになっており、同時に「室内温度」も推奨の温度より高いことがうかがえる。
パナソニックは、湿度をコントロールすることで、「設定温度」を下げたとしても体感温度を上げることができるとし、冬の暖房時に「設定温度」を1℃低くすると、約10%の消費電力が削減されることから、「設定温度」を下げつつ、加湿で体感温度を上げる工夫に節電のチャンスがあるとしている。
エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、「設定温度」と実際の「室内温度」が異なっているケースもあり、家の構造や日当たりなども影響してくるが、中には、エアコンのお手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあるとのことだ。
■「つけっぱなし」と「こまめに消す」運転、冬のエアコン暖房でお得なのはどっち?
エアコンは、こまめにオフにするより「つけっぱなし運転」の方がおトクになることがあるとも言われている。
室内外の温度差が大きいときに運転をオンにすると多くのパワーが必要となるが、室内がいったん適温になれば少ない消費電力量でキープできる。
そのため、運転をオフにして室温が外気温に近付けば、再びオンにしたときに消費電力量の多い「強運転」を行うこともあり、結果としてつけっぱなしのほうが少ない消費電力量で済む場合もあるとしている。
パナソニックは、冬の暖房使用について、「つけっぱなし」と「こまめに消す」運転の電気代をパナソニック独自のアルゴリズムを用いて比較。
結果、暖房使用時において住宅の断熱性、室内熱負荷などの環境によるものの、外気温が3℃未満のような厳しい寒さの場合は、室温が大きく下がりやすく設定温度に戻すために多くのパワーが必要となるため、「つけっぱなし」運転がお得となった。
一方で、3℃以上であれば、室内温度がそこまで下がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることがわかったとのことだ。
【調査概要】
設定温度・室内温度:
エオリアアプリに接続しているエアコンのデータ。「室内温度」は室温の1日の平均データ。
<参考>
パナソニック「エオリア」『エアコン暖房利用者の「設定温度」と「室内温度」の実態』