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オンライン就活が一般的になった今、学生と企業のコミュニケーションの現在地はどうなっているのか。若者職業観の変化は大きく変わっている。一方で企業の採用方法や採用時点での提供情報はあまり変わっていない。早期離職も収まらない。学生と企業が出会う場でのコミュニケーションには問題はないのか。ワンキャリアは、23卒/24卒の学生に調査を行った。
調査サマリ
- 企業選びでも最も重視することは「自分のなりたい職種である」
- 転職を前提に就職活動をしている学生は6割
- 入社前に配属先がわかることが重要であると答えた学生は8割
- 「面接で、本音で話せなかった経験がある」と回答したのは6割。その背景には「不採用への不安」。
- 「逆面接で聞きたいことを聞くことができなかった」と回答した学生は4割。「聞けなかった内容」は「給与」「福利厚生」「入社後のキャリア」。
- 学生の約9割が「内定承諾先は“本音の自分を受け入れてくれると感じた企業”である」と回答。
- 学生の6割は企業説明会や新卒採用サイトで社風やカルチャーを「理解できていない」。その理由は「良いところしかわからないから」。「どこまでが本音かどうかわからない」
■学生の仕事選びに関する価値観の変化
企業選びでも最も重視することは「自分のなりたい職種である」
転職を前提に就職活動をしている学生は6割
入社前に配属先がわかることが重要であると答えた学生は8割
■まとめ
このように、大学生が就職先を選ぶ時に重要視している内容や、キャリア形成についての観点は大きく変わり始めている。一方で、企業の採用手法や採用現場での提供情報はあまり変わっていない。その結果、採用現場で学生が求めていることと、企業の提供する情報にズレが生じているという。
■企業の採用に対する学生の本音
面接では「本音を言えなかった」、「本音で聞けなかった」という声が多くみられた。
- 「面接で、本音で話せなかった経験がある」と回答したのは6割。背景には「不採用への不安」。
- 「先輩から面接やESで話を盛ることを推奨された」
- 「ガクチカを受ける企業に合わせて組織内での役割を一部変えて出してしまった」
- 「本当に頑張ったことを言っても否定された経験があったので、就活用のガクチカをつくった」
- 「逆質問で聞きたいことを聞くことができなかった」と回答した学生は4割。「聞けなかった内容」は「給与」「福利厚生」「入社後のキャリア」
- 「逆質問で回答された答えは、半分本音で半分企業都合の内容であると割り切っている」
- 「産休や育休などのライフプランに関連する内容を聞いたらいけない気がしている」
- 「実際にどんな人がどんな理由で転職しているか聞きたかったけど、イメージ悪くなりますよね」
- 「実際、給与がどれくらい手元に残って、それを何に使っているか聞きたかった。そんなの聞けるわけない。」
内定承諾先は、本音を受け入れてくれていると感じられていることが重要であることがわかった。
- 学生の約9割が「内定承諾先は“本音の自分を受け入れてくれると感じた企業”である」と回答。
- 「相手も企業だけでなくご自身の話をしてくれて、この人なら話してもいいと思った。」
- 「役員面接で『うん。で、本当の本当はなにしたいの?』と深層心理を深ぼってくれて志望度が上がった』
また、説明会では、学生の求めているコンテンツと企業の提供しているコンテンツにズレがあることがわかった。
- 学生の6割は企業説明会や新卒採用サイトで社風やカルチャーを理解できていない。理由は「良いところしかわからないから」「どこまでが本音かどうかわからないから」
- 「オンラインが多く人事の人しか出てこないことがほとんどだから」
- 「実際に社員の方の声を聞くとずれがあることがあったから。」
- 「採用担当の人のみが出てきて、実際に現場で働いている方の話を聞けなかったから。」
- 「企業にとって良いことしか言わない・書いていないから」
- 実際に選考に参加してみると、「ウチでは圧迫面接は別に普通のことだよ」というカルチャーだった…という経験をしたことがあるため。
- 「抽象的な文章が多かったり、スタッフの体験談も曖昧な内容だったから。」
- 説明会で最も満足度の高いトピック
- 現場社員が出るコンテンツや、具体的な話のコンテンツが支持を集めている。
▶「社員との座談会」
▶「先輩社員による現場の話」
▶「仕事内容」
▶「選考内容・スケジュール」
- 現場社員が出るコンテンツや、具体的な話のコンテンツが支持を集めている。
- 説明会で最も満足度の低いトピック
- 会社概要などのHPに載っているものや、求める人物像、経営陣の話など抽象的なものは満足度が低い。
▶「会社概要」
▶「企業が求める人物像」
▶「先輩社員の就活体験談」
▶「経営陣の話」
- 会社概要などのHPに載っているものや、求める人物像、経営陣の話など抽象的なものは満足度が低い。
■まとめ
- 学生の仕事選びの価値観は大きく変わっており、企業に対して提供して欲しい情報も変化している。
- 一方で企業の提供できている情報は変わっておらず、学生の求める情報との間にズレが生じている。
- また、学生は本音で言いたいこと、聞きたいことを言いにくい状況にある。
- 企業は、学生が本当に知りたいこと、聞きたいことが何か、今一度見直す必要があり、説明会ではコンテンツの見直しを、面接は本音で対話できる場に変えていく必要がある。