JTは、日本企業で働く20代から50代までのオフィスワーカーに対して、職場の休憩に関する調査を実施し、結果を公表した。

■8割以上が「業務中のこまめな休憩」の必要性を感じている一方、約半数の49.0%は「業務中に休憩が取りづらい」と回答。

業務中の休憩を調査したところ、81.3%が「業務中のこまめな休憩の必要性を感じる」と回答。

業務中のこまめな休憩について

一方で、オフィスワーカーの約2人に1人は「職場で業務中に休憩が取りにくいと感じる」と回答し、そのうち82.6%は「その状況にストレスを感じる」という結果に。

業務中の休憩の取りにくさについて

■理想の休憩回数(※)の最多回答は「3回」だったのに対し、実際の休憩回数の最多回答は「1回」

理想の休憩回数を尋ねると、「3回」が26.0%で最多となったが、実際の休憩回数として一番多かった回答は「1回」で29.7%となった。

さらに、1回あたりの理想の休憩時間について「15分未満」と回答した人は59.8%だが、1回あたりの実際の休憩時間について「10分未満」と回答した人は66.1%となり、休憩の取り方の理想と現実には大きなギャップがあることがわかった。

休憩回数について

■8割以上が周りの人に適切な休憩を取ってほしいと回答。

また、81.4%が「周りの人には適切な休憩を取ってほしい」と回答し、77.2%は「周りの人が休憩をとることを気にしない」と回答。

個人の実感と周囲に対する考えとの間で、業務中の休憩に対する意識にギャップがある状況が明らかになった。

周りの人が休憩をとることについて

■業務中に休憩が取れない理由、6割以上が「周りの目」を挙げる結果に。

62.9%は「“周囲の目“を気にして休憩が取れなかった経験がある」と回答。

大多数の人が周囲の人に休みを取ってほしいと考えている中、オフィスワーカーの過半数が、多くの場合思い込みだと考えられる「幻の周囲の目」を気にして休憩を控える「休憩忖度」状態にあることが分かった。 

周りの目を気にして休憩が取れなかった経験について

■会社の中では、特に女性管理職が“周囲の目”によって休憩を取れていない状況にある。

“周囲の目”によって休憩を取れていない職種について、女性中間管理職は、全カテゴリー中最多となる37.3%が「よくある」という結果となった。

そのうち76.7%はストレスを感じており、役職により「休憩忖度」の状況に格差がある実態が明らかになった。

周りの目を気にして休憩が取れていない女性管理職

■“偉い人の目”が、休憩が取りにくい環境を作り出している。

「その人が休憩をしていないと自分も業務中の休憩が取りづらいと感じる相手」として、オフィスワーカーの48.7%が「経営層」、47.2%が「先輩・上司」と回答。

一方で、経営者・部長クラスの人のうち81.3%は「周りの人には適切な休憩をとってほしい」と回答した。

”休む技術”のエキスパートである精神科医・早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授の西多昌規氏は、休憩忖度を解消し、作業の効率化や肉体的・精神的な面での健康を保つために、業務中たまに離席して散歩をすることや、うつや不安を抑える神経伝達物質であるセロトニンを活性化し、睡眠リズムを司るメラトニンの分泌を高める日光浴を推奨しているとのことだ。

※ 昼休憩など、労働基準法上の休憩時間を除く

■調査概要
調査期間:2022年6月30日~7月4日
調査方法:インターネット
エリア:全国 
サンプル数:600人
年齢:20代~50代
条件:出社メイン(出社が8割以上)の勤務形態であること