グローバル人材に特化した人材紹介会社エンワールド・ジャパンは、6月19日の父の日に向けて、外資系企業、日系グローバル企業で働くグローバル人材1103人を対象に「育児休業に関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

エンワールド・ジャパン

【調査結果】「父親の育休」8割以上が制度を認知するも、利用率は3割未満

「育児・介護休業法」に関する全体の質問では、制度自体の認知が「父親の育児休業」で83%、「母親の育児休業」で87%と、それぞれ8割を超えたものの、育児休業の最長取得期間の認知については、「父親の育児休業」で35%、「母親の育児休業」で46%と、いずれも半数を切る結果となった。

「育児・介護休業法」に関する認知dどド度度

次に、「自身、または配偶者の産後に、企業の育休制度を利用したか」という男女別の質問では、「母親の育児休業」利用が約8割だったのに対し、「父親の育児休業」利用は3割を切る結果に。

自身、または配偶者の産後に、企業の育休制度を利用したか

■育休期間、理想と現実に大きな差

育休利用者への「実際の育休利用期間」に関する質問では、「父親の育児休業」利用者で最多が「1カ月以上3カ月未満」で25%、次いで「1週間未満」の18%となった。

一方、「母親の育児休業」利用者では「6カ月以上12カ月未満」が48%で最多、次いで「12カ月以上18カ月未満」が26%と、男女で利用期間に大きな差が開く結果になったとのことだ。

実際の育休利用期間

■男性「休業中の家計への影響」、女性「復帰後のキャリア」に不安を感じる

育児休暇について、「利用しづらい環境だった」という理由に関する質問では、全体で「上司の理解やサポートが十分に得られそうになかった」が64%で最多、次いで「利用する同僚が少なく、利用しづらい雰囲気だった」が59%となった。

さらに男女別に見ると、「母親の育児休業」では「育休からの復帰後のキャリアに不安があった」が64%で2番目に多い結果となり、女性の休業期間が比較的長期になることからも、キャリアへの不安を抱きやすいことが明らかになったとしている。

一方、「父親の育児休業」では「休業による家計への影響・心配があった」の回答が多く37%となり、家計を支える男性にとって育休利用のハードルが高いことが分かった。

「利用しづらい環境だった」理由

■女性管理職、育休利用のハードル高く断念するケースも

一方、「自身、または配偶者の産後に、企業の育休制度を利用しましたか」の質問で、「企業としての制度があったが、利用しなかった」の回答者にその理由を聞いたところ、「父親の育児休業」では「休業による家計への影響・心配があった」が33%で最多に。

また、「母親の育児休業」では「部下やチームによる理解・サポートが十分に得られそうになかった。」が44%で最多に。さらに後者に関しては、「課長・係長・主任クラス」の回答が多く、チームをマネジメントする女性管理職にとって育休利用のハードルが高いことがうかがえたとのことだ。

企業としての制度があったが、利用しなかった理由

■「父親の育休」7割以上が利用希望

最後に、「今後、自身や配偶者に出産の機会があった場合、「父親の育休制度」を「利用したい」または「利用してもらいたい」と思うか。(既利用者も含む)」という質問では、男女共に7割以上が「思う」と回答する結果となった。

今後、「父親の育休制度」を「利用したい」または「利用してもらいたい」と思うか

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査実施期間:2022年6月3日~6月10日
有効回答数:1,103人
回答者所属企業:外資系企業社員45%、日系企業55%
回答形式:単一回答および複数回答形式