モデルナは、オミクロン株を含む2価追加接種ワクチン候補「mRNA-1273.214」について、オミクロン株に対する抗体反応で優越性が示されたことを発表した。

「mRNA-1273.214」は、ベースラインの血清反応陰性被験者において、Spikevaxの追加接種(50µg)と比較した場合、オミクロン株に対する中和抗体反応などの第2/3相臨床試験の全ての主要評価項目を達成。

事前に規定した優越性基準は、信頼区間1超の下限値で測定した中和幾何平均抗体価比(GMR)で評価したという。

その結果、GMRおよび対応する97.5%信頼区間は1.75(1.49、2.04)となった。mRNA-1273.214の追加接種により、オミクロン株に対する中和幾何平均抗体価(GMT)はベースライン値の約8倍に増加。

祖先ウイルスであるSARS-CoV-2(D614G)に対するGMRは1.22(1.08~1.37)で、主要評価項目である祖先ウイルスSARS-CoV-2に対する非劣性も達成されたとのことだ。

接種1か月後の血清反応陰性被験者は、mRNA-1273.214の祖先ウイルスであるSARS-CoV-2に対する中和GMTは5977(CI:5322、6713)であったのに対し、SpikevaxのGMTは5649(CI:5057、6311)に。「mRNA-1273.214」のオミクロン株に対するGMTは2372(CI:2071、2718)であったのに対し、SpikevaxのGMTは1473(CI:1271、1708)となった。

なお、結合抗体価も「mRNA-1273.214」がSpikevaxよりも他のすべての変異株(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、オミクロン)に対して有意に高い(名目上の有意水準0.05)状態となったという。

「mRNA-1273.214」の50μg追加接種は、437例の被験者において良好な忍容性を示したとし、安全性および反応原性プロファイルは、2回目の追加接種として、これらのワクチンを投与したときのSpikevaxの50μg接種と同程度となったとのことだ。

モデルナは、「mRNA-1273.214」がSpikevaxよりも有意に高い抗体価を誘導したことを考慮し、オミクロンに対して「mRNA-1273.214」が誘導する抗体価がSpikevaxよりも長期間持続すると予測している。

また、モデルナはワクチン接種91日後のデータを今夏後半に報告する予定とし、今後数週間のうちに中間解析および中間データを規制当局に提出し、審査を受ける予定とのことだ。