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PR TIMESは、運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」において2021年1月1日~10月31日に企業から配信されたプレスリリース総計23万990件を対象に、年間データ分析と総括、業界別分析と各種ランキングなど発表した。
なお、2020年に発表したプレスリリースキーワードランキングより集計方法を変更しているという。
「PR TIMES」はプレスリリース配信の際に、発表企業がプレスリリース内容に関係するキーワードを最大10個登録することができるとしている。
2021年1~10月に配信された総計23万990件のプレスリリースのキーワード登録総数は延べ175万7266個に上ったとのことだ。
年間総合キーワードランキング
年間総合キーワードランキングは、キーワードが登録されたプレスリリース件数で年間ランキングを集計。
2021年のキーワードランキングでは8279件のプレスリリースで使用された「DX」が総合1位となったという。今年関連するサービスが増えた「DX」は昨年のキーワードランキングでも年の後半から順位をあげ2020年総合16位となったキーワードであった。
今年は年始から緊急事態宣言が再発令され「コロナ」関連のニュースが続いていましたが、コロナ禍によりニーズの高まった企業活動の「DX(=デジタルトランスフォーメーション)」が発表のトレンドになったとしている。
また、企業活動に限らず日頃の生活にも馴染み深くなりつつある「SDGs」がメディアや社会からの注目に押され、全体の5位まで順位を上げたという。
2位にランクインした「新商品」については、キーワード登録された8094件の10.8%を超える880件について「コロナ」も併用して発信されており、コロナ禍に向けた新商品が数多く生まれているものと考えられるとしている。
月別キーワードランキング推移
昨年11月に1位の「クリスマス」以降、2020年12月~2021年3月は「コロナ」が1位の月が続いたという。年明け間もなくから緊急事態宣言が再発令され、昨年に引き続きコロナ禍にあった2021年だが、企業の発表においては平時のプレスリリースで多い「新商品」や「キャンペーン」「イベント」などのキーワード登録が増加。
2020年中は企業活動で自粛を余儀なくされていたものが徐々に回復に向かい発表に繋がっているとしている。
「緊急事態宣言」は最初の発令となった2020年4月にはキーワードランキングで11位にランクイン。2度目の発令となった2021年1月には9位となるも、3度目の発令のあった2021年7月は報道でも「宣言慣れ」という言葉を象徴するように企業発表でも使用頻度が落ち、116位と大きく順位を下げたという。
4月には昨年6月頃から順位を上げていた「DX」が1位となり、その後7月まで1位をキープ。そして、1月には20位ランクインに留まっていた「SDGs」が2月以降順位を上げ続け、10月度ランキングでは過去最高の2位につけたとのことだ。
今後注目される新キーワード
【NFT】
今年3月に海外のオークションサイトで同技術を使ったデジタルアート作品が約75億円で落札されたというニュースをきっかけに、日本国内でもそのキーワードに注目が集まり、2月までは延べ11件だった2021年のキーワード登録件数も10月には延べ836件とその数を伸ばしているという。
「NFT」を活用したサービスの発表や同技術を持つスタートアップと大手企業との連携などが月毎に増えていき、昨年の41倍超のプレスリリースが発信されているとのことだ。
【メタバース】
インターネット上に作られた3次元の仮想空間を指す「メタバース」は、1月~7月までは延べ31件だったものの、10月には述べ114件に増加。
これまでに企業の事業参入の発表や、従来のイベントを「メタバース」で実施する企業も増え、今後その活用の幅に合わせて、企業発表でも増加が見込まれるとしている。
2020年からは増加率57倍と今後さらなる増加が見込まれるとのことだ。
年別比較(2019年~2021年)コロナ禍を経た企業発表の変化
2019年から2021年にかけては、社会情勢が大きく変わったことにより、登録キーワードの順位に大きな変化を与えたという。
それまで企業発表時のキーワード1位の定番となっていた「イベント」が順位を下げ、「コロナ」や「DX」といったキーワードが1位に。
さらに、その変化に合わせるように「テレワーク」や「おうち時間」などコロナ禍による流行キーワードがランクインしたとのことだ。
2019年には20位までにランクインしていなかったキーワードが、2020年・2021年と計10個(「コロナ」「新型コロナウイルス」「オンライン」「テレワーク」「おうち時間」「リモートワーク」「DX」「マスク」「EC」「SDGs」が新たに登場するなど、コロナ禍による社会の変化を感じる結果となったという。
また、2021年も引き続きコロナ禍の影響を感じるキーワードが並ぶ一方で、2019年まではランクインが見られた「ゲーム」「ホテル」「コラボ」といった一般ワードが再び2021年にはランクインしており、徐々に平時へ戻りつつある状況を示しているとしている。
2019年以降でランクインから姿を消したキーワードが6個ある中で、「働き方改革」については「テレワーク」「リモートワーク」「DX」といったコロナ禍だからこその働き方に関連するキーワードが多用されるようになったと考えられ、結果的により細分化して「働き方改革」が進んでいるものと捉えることがでるという。
また、2019年までも関連するサービスなども多く企業発表でも使用頻度が高いものと思われる「EC」は、2019年は46位だったものの、2020年19位、2021年12位と順位を上げたとのことだ。
「業界カテゴリ別動向」プレスリリースの業界カテゴリごとの傾向を解説
【外食・中食】昨年後半の勢いそのままに「テイクアウト」が年間を通じて1位をキープ
2020年4月以降、11月の「クリスマス」を除き1位をキープしていた「テイクアウト」が、今年もここまで1位をキープ。
なお、「デリバリー」もコロナ禍以降10位以内をキープしている新ワードで、緊急事態宣言が明けた10月も引き続きこの傾向は続いていることから、飲食業界において「テイクアウト」「デリバリー」が定番化していると言えるとしている。
【ホテル・レジャー】下半期以降でコロナ関連のキーワードがランク外に、業界全体に復調の兆し
1月2月には「一時帰国」や「自主隔離」、4月以降も「コロナ」のキーワードが常にランクインしていたものの、8月からは「コロナ」含め、関連するキーワードがTOP10に入らなかったという。
一方で、1月~7月までには、「マンスリーマンション」「ワーケーション」「テレワーク」といったホテルなどの宿泊施設がコロナ禍で新たに始めた、観光のみを目的としない利用方法を訴求する発表が多くあったとのことだ。
【企業向けシステム・通信・機器】「DX」と「AI」が年間を通じて1,2位を独占
企業向けシステム・通信・機器カテゴリでは、年間を通じて「DX」「AI」が1,2位の座をキープ。3位以降には「テレワーク」「SaaS」「クラウド」「セキュリティ」など、企業活動のデジタル化に伴う関連サービスへのニーズがプレスリリース発信にもつながっているとしている。
「コロナ」のキーワードは全体よりも早く3月にはランクインせず、先にあげたようなコロナ対応に必要なサービスを象徴するキーワード登録が目立ったとのことだ。