NECは、映像AIなどのエッジにおけるAI処理をいち早く実現できる統合プラットフォーム「NEC Express5800 for MEC」を2021年12月8日から販売開始すると発表した。

エッジコンピューティングにおいて、ますます複雑化するシステム全体の運用の自動化や効率化を実現するためには、エッジサーバだけでなく、各種デバイスやネットワーク、ITの既存システムとの統合運用管理が必要となる。

また、運用工数を軽減するためのコンテナ構築の自動化や、アプリケーション配布の容易化も重要になってくるとのことだ。

NECは、これらのニーズに対応するため、映像AI導入と運用管理を容易にし、ワークロードや用途・規模に合わせて、最適な統合プラットフォーム製品「NEC Express5800 for MEC」を販売。

さらに、システム構築・アプリケーション配布から監視設定・データ収集までを自動化するソフトウェア製品「NEC System Orchestration」により、開発から構築・制御、運用監視、分析までの一連のシステムのライフサイクルをトータルにサポートするという。

今回販売開始する「NEC Express5800 for MEC」は、2種のAIコンテナ環境セット(マイクロソフトが提供するAzure IoT Edge、NVIDIAが提供するNVIDIA EGX)とAI対応ソリューションセットの3セットを用意。

特にAIコンテナ環境セット(NVIDIA EGX)は、Express5800サーバへNVIDIA T4 Tensor コア GPUを搭載し、強力なAIアクセラレーション機能を備えるという。

また、今後他GPUへの対応拡大も予定。これらの製品はローカル5G環境での検証を実施しており、ローカル5Gの採用を検討している顧客は安心して利用できるとのことだ。

また今後、用途や規模に応じたラインナップの拡充と、すぐに使えるAIソリューション の拡充を図っていくとしている。

1. NEC Expres5800 for MEC製品ラインナップ

■ NEC Express5800 for MEC AIコンテナ環境セット:
Azure IoT Edge環境、NVIDIA EGX環境それぞれで検証済みの構成のため、迅速なAIコンテナ環境の構築ができる。
Azure Cognitive ServicesやNGC catalogなどの汎用AIモデル、ISVのAIソリューションを使い、自身でシステムを構築したいユーザーやAIソリューションの開発者向けの商品。

■ NEC Express5800 for MEC AI対応ソリューションセット:
「長時間居座り検知」などの映像AIを活用したソリューションとセット。映像AIを活用したソリューションをすぐに使いたいというユーザー向けの商品。

NEC System Orchestration
システム構築・アプリケーション配布から監視設定・データ収集までを自動化

CONNEXIVE Edge Device Management
エッジ・デバイス運用管理・アプリケーション配布

WebSAM SystemManager G
統合運用管理・監視

■AI対応ソリューションセット(AIアクセラレータ(VPU))で提供するAIソリューション
以下の4つの映像AIソリューションを提供するという。今後、映像AIソリューションを拡充していく予定。

・長時間居座り検知
指定時間を超えて人物が居座りしている人を発見することができる。店舗での長時間居座り発見が可能となり、店舗での迷惑行為防止(長時間の立ち読みやイートインコーナーでの居座り)に役立つ。

・不正侵入検知
人物がカメラに映りこんだ場合、人が映ったとしてそれを発見することができる。セキュリティが必要なエリアへの人の立ち入りを迅速に発見することで、安心・安全の提供に役立つという。

・人数カウント
時間毎に何人の人が居るかどうかを確認することができる。加えて、指定した時間以上居た人数の確認も可能。展示会等における入場人数確認等に役立つ。

・誤侵入検知
人物が誤ってエリアに侵入した場合、発見することができる。危険なエリア等への人の立ち入りを迅速に発見することで、安心・安全の提供に役立つ。

2. NEC Express5800 for MEC の運用管理

エッジデバイスの管理からコンテナ構築、アプリケーション管理など、インフラ管理の煩わしさを払拭する統合運用監視ソフトウェア製品を、NEC Express5800 for MECの商品にセット化。
 ・システムライフサイクル管理 (システム運用の自動化・効率化)
 ・コンテナ・アプリケーション管理(配付・更新/起動・停止)
 ・運用監視(メッセージ監視・性能監視)

■システムライフサイクル管理 (システム運用の自動化・効率化)
既存ITシステムのみでなくエッジコンピューティングにより、ますます複雑化するシステムの構築から運用監視および再構築までの、ライフサイクル全体を効率的に運用管理。
・MECへのAIコンテナ環境構築を容易にかつ迅速に実現、またコンテナ配布と合わせて性能データを自動収集

■コンテナ・アプリケーション管理(配付・更新/起動・停止)
コンテナ・アプリケーションの構築を容易に、かつ迅速に実現するコンテナ・アプリケーション管理機能を提供。
・複数のMECに対して、コンテナ・アプリケーションを同時に配布。
・性能監視用コンテナをコンテナ・アプリケーションと合わせて配布し、自動的にコンテナ性能監視を開始。
・個別のコンテナアプリの起動・停止やコンテナ更新の操作を実施。

■運用監視 (性能監視・メッセージ監視)
MECの稼働状況を可視化することで、システム安定稼働を実現。
監視ツールを利用して、MECからの性能情報、アラートを収集し、運用管理サーバで可視化。
・予め設定したサービスレベルに基づいた閾値超過時にメール等での通報を実施。

■ 運用管理機能の対応一覧