日本航空（以下、JAL）と、メディパルホールディングス（以下、メディパル）は、全ての国民が高品質な医療を享受できる社会の実現を目指し、ドローンを活用した持続可能な物流網の構築に向け、共同検討を開始したと発表した。

1．兵庫県洲本市での実証実験について

2021年10月27日と28日に、両社は兵庫県洲本市でドローンによる医薬品の拠点間輸送をユースケースとした実証実験を実施し、成功。

この実証実験は、NEDOが主催し、JALが参画するKDDIのスマートドローンプラットフォームを活用したDRESSプロジェクトの一環として行われたという。

JALは、航空運送事業における安全運航のノウハウを活かしたドローンの運航および安全管理を担い、メディパルの連結対象の完全子会社であるメディセオのロジスティクス本部が薬剤模擬品を提供し、淡路FLCが自治体や医療機関へのリレーション構築を行ったという。

薬剤模擬品搭載

≪実証実験の概要≫

メディセオ 淡路FLCから離陸するドローン

・発着点：メディセオ淡路FLC駐車場 ⇔ 県立淡路医療センター屋上庭園
・ルート：洲本川上空（洲本橋含む7つの橋梁上を飛行。 往復約5km）
・機　体：PD6B-TypeC（プロドローン社製）（W）1874x（D）2060x（H）474㎜ 最大ペイロード30kg
・輸送物：薬剤模擬品（アンプル） 疑似品（最大搭載重量5kg）
・結　果：ルートを2.5往復する通常飛行に加え、イレギュラーを想定した複数のシミュレーションを完遂

ドローンによる飛行ルート

【関連リリース】
2021年11月24日付『都市部におけるドローンレベル4運航を見据えた 実証実験を兵庫県で実施』
URL：https://press.jal.co.jp/ja/release/202111/006380.html

2．同共同検討の背景と目的

現在の日本では、少子高齢化や過疎化による医療・交通アクセス困難者の増加、深刻化する自然災害、新たな感染症の流行などの社会的なリスクを抱えており、国民の生命を守る医薬品などを、平時・有事を問わず安定的に流通できる体制の構築が求められているという。

また、地球温暖化による気候変動が全世界的な課題となる中、企業が行う事業活動においてSDGsの目標を達成していくことが非常に重要であると考えているとのことだ。

両社は同共同検討により、地域のニーズに寄り添い、環境性能に優れた電動ドローンを活用した、災害などの有事にも対応可能かつ持続可能な物流網を構築し、全ての国民が高品質な医療を享受できる豊かでサステナブルな社会を共に目指すという。

3．同共同検討の取り組み内容

（1） 医薬品のドローン輸送および関連輸送に関する市場調査、事業性検証
（2） 各種実証実験における連携
（3） ドローンに対する社会受容性の向上施策の検討
（4） ドローン活用による災害時やSDGs達成に向けた医薬品供給体制の構築の検討