東芝は、2021年11月12日に事業をスピンオフし、3つの独立会社とする方針を決定したと発表した。
再編の概要は以下の通り。
●インフラサービスCo.は、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、デジタルソリューション、電池事業から構成
●デバイスCo.は、デバイス&ストレージソリューション事業から構成
●東芝は、キオクシアホールディングス(以下、キオクシア)と東芝テック株式会社の株式を保有
同スピンオフにより、インフラサービスCo.はカーボン・ニュートラルの目標の達成およびインフラレジリエンスの向上に貢献する会社として、デバイスCo.は社会・ITインフラの進化を支える会社として、それぞれの産業をリードする特色ある2つの会社となるという。
同スピンオフは、成長戦略の明確化、意思決定のスピードの向上、コスト構造の最適化により各事業の競争力を強化し、持続的で利益ある成長と株主価値の向上を実現するとしている。
なお、同時にキオクシアについては、株主価値の最大化をはかりつつ、実務上可能な限り速やかに現金化し、手取り金純額についてはスピンオフの円滑な遂行を妨げない範囲で、全額株主還元に充当するとのことだ。
今般の大胆なスピンオフは、大規模な日本企業として初めて法人税法上のいわゆるスピンオフ税制の利用による適格組織再編を目指したものだという。
同社グループ事業の価値の顕在化、株主・投資家の皆様への投資機会の提供を図るとともに、利用者・取引先・従業員を含む全てのステークホルダーの利益に貢献すると考えているとのことだ。
スピンオフ計画は、同社取締役会傘下で独立社外取締役5名により構成される戦略委員会(以下、SRC)があらゆる戦略的選択肢を評価・検討し、取締役会にて全会一致で承認。
SRCはこの評価・検討において、会社の戦略的方向性について株主の意見を聞き、潜在的なパートナーと協議を行ってきたという。
5か月近くにおよぶ徹底した評価・検討の結果、取締役を含む同社経営陣は、同社グループの事業をスピンオフし、3つの独立会社とする今般の戦略的再編が株主価値の向上に資する最善の方法であると判断。
スピンオフの概要とスケジュール
インフラサービスCo.とデバイスCo.の同社からのスピンオフに伴い、同社株主には2つの新会社の株式が分配されるという。
同社は、関係当局との協議やアドバイザーとの協力により、法人税法上のいわゆるスピンオフ税制を利用した適格組織再編を目指し、最善かつ最も効率的な方法について検討を進めていくとしている。
同スピンオフは、同社株主総会の承認が得られることや、関係当局の審査要求事項を満たすことなどを始めとする所要の手続きが完了することを条件に、2023年度下期の上場完了を目標としているが、実行可能な範囲でプロセスを早める努力をするという。
なお、スピンオフ後の事業体の括りにおいて、2021年度の実績を含む事業年度2期分の監査を経る必要があるとしている。
SRCは来年1~3月の間に実施を予定している臨時株主総会で株主に諮られるまで、スピンオフ計画の準備を引き続き監督。また、臨時株主総会を以て、取締役会にSRCメンバーを含むステアリングコミッティが組成される予定とのことだ。