国立映画アーカイブでは、去る9月1日にWEBサイト「関東大震災映像デジタルアーカイブ」を国立情報学研究所と共同で開設。

同サイトでは、1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災について、同館が所蔵する関連の映画フィルムなどの資料を公開しており、「撮影場所」、「シーン(写されている事象)」で分類された「クリップ」単位での検索・閲覧が可能で、作品のディテールをより深く、横断的に見ることができるようになっているという。

関東大震災発生から100年にあたる2023年9月1日までに、2年をかけて、同館で所蔵する関東大震災関連の全ての映画フィルムの公開を目指しているとのことだ。

サイト開設時には、長篇記録映画『關東大震大火實況』の全篇を公開。そして今回、11月5日に第2弾となる作品『関東大震災』[返還映画版]を公開したとのことだ。

【作品概要】
『関東大震災』[返還映画版](13分|1923年|サイレント|白黒)
上野界隈や浅草凌雲閣(十二階)などが登場する前半は、激しい火焔が強風に煽られている様子や、街頭や線路上を避難民が埋め尽くす場面が記録されており、地震発生から間もない時刻に撮影が行われたものと思われているという。
鎮火後に撮ったと見られる後半では、焦土と化した各地の光景が次々と紹介される。

※返還映画とは……1967年に米議会図書館との間で締結された協定により、占領期の日本や戦時中の米日系人コミュニティより没収された戦前日本映画約1,300本の収集が行われた。これらの作品を「返還映画」と総称。

クリップでは、火炎と強風に煽られる丸の内や、上野山下の街頭を埋めた避難民など、5つのシーンを切り抜いたとしている。

関東大震災映像デジタルアーカイブ https://kantodaishinsai.filmarchives.jp/
関東大震災[返還映画版] https://kantodaishinsai.filmarchives.jp/movies/m02.html