楽天グループ(以下、楽天)は、ブロックチェーン技術を活用した「NFT」(Non-fungible Token:非代替性トークン)の事業に国内で参入することを発表した。

楽天は、スポーツや、音楽・アニメをはじめとするエンターテインメントなど様々な分野におけるNFTをユーザーが購入したり、個人間で売買できるマーケットプレイスと、IPホルダーがワンストップでNFTの発行および販売サイトの構築が可能な独自のプラットフォームを併せ持つ「Rakuten NFT」の提供を2022年春に開始する予定とのことだ。

「Rakuten NFT」

ユーザーは、IPホルダーが「Rakuten NFT」で発行するNFTを購入し、ユーザー同士で取引することができ、決済には楽天IDを使用でき、楽天ポイントを貯めたり、使ったりすることも可能になる予定とのことだ。

また、IPホルダーは、ブロックチェーンに関する専門的知見がなくても、自身で技術開発を行うことなくNFTを発行・流通させることが可能。

さらに、楽天が運営する他のサービスにおいて、ユーザーが商品の購入や使用条件を満たすとNFTを景品として獲得できるなど、様々なサービスと連動したプラットフォームとしても活用できるようになる予定としている。

NFTは、デジタルデータに固有性と希少性を保証できることから、デジタルコンテンツ分野における画期的な技術であり、コンテンツ産業を革新できる可能性があるものとして、近年ではスポーツやエンターテインメントなどの分野で注目が高まっているという。

楽天は、2016年8月にブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーン・ラボ」を開設し、2019年8月からは楽天ウォレットにおいて暗号資産における現物取引サービスを国内で提供。

これまでのサービス開発・提供によって培った技術を最大限に利用してNFT事業に参入することで、暗号資産の投資家や、テクノロジーに強い関心があるコミュニティを中心に流通しているNFTの現状の市場環境に変化を与え、幅広いユーザーがNFTを保有することに価値を感じられるよう、「NFT市場の民主化」を目指すとしている。

楽天は、今後もデジタルコンテンツ事業を通じて、魅力的で新しいエンターテインメント体験の提供とサービスの利便性向上を図り、幅広いユーザーに向けて満足度の高いサービス提供を実現していくとのことだ。