ニチバンは、9月3日の「睡眠の日」に先駆け、「コロナ禍の睡眠不調」について調査を実施し結果を発表した。

調査の結果、感染拡大より1年半が経過した現在、約3割の人で睡眠の質が下がり、日常生活にも影響を及ぼしていることが明らかとなったという。

コロナ禍の平均睡眠時間は6.5時間・「眠りが浅くなった」と回答した人は約3割

コロナ禍における平均睡眠時間を調査したところ、睡眠時間の平均は6.5時間であった。

回答の割合は「6時間以上7時間未満」との回答が34%で最も多い結果となったものの、20代は就寝時間が「早くなった(22%)」「遅くなった(17%)」「不規則になった(21%)」と、6割に変化が見られたとのことだ。

コロナ禍における睡眠時間について

睡眠の質に関しては、「少し質が下がった」という回答が23.6%、「とても質が下がった」という回答は5.2%で、合計28.8%の人が「睡眠の質が下がった」と回答する結果となった。

「コロナ禍が要因で眠れない・寝つきが浅くなったと感じるか?」という質問では、合計30.4%の人が感じていると回答し、睡眠不調が深刻であることが判明したとしている。

【左】睡眠の質の変化について
【右】コロナ禍が要因での睡眠の質が変化しているか

また、睡眠の課題は不眠のみに留まらず、「コロナ禍で睡眠の質に悩んでいるか?」という質問に対し、27.6%の人が「はい」と回答し、特に20代は39%と平均と比べ高い結果に。

コロナ禍で睡眠の質に悩んでいるか

悩みを抱えていると回答した138名に具体的な悩みを質問したところ、「熟睡できない」という回答が56.5%、「夜寝付けない」という回答が51.4%で上位になった。

また、「疲れや痛みが回復しない(38.4%)」と答えた人は38.4%で、「肩や腰の痛みで眠れない」という回答も24.6%であったことから、痛みによる悩みを抱える方も一定数いることが判明。

さらに「睡眠の悩みの原因」を質問すると、「ストレスや不安」が最も多く68.1%の人が回答。

次いで「運動不足(52.2%)」や「生活リズムの乱れ(48.6%)」が多いことがわかり、やはりコロナ禍による精神的なストレス・在宅勤務の増加・慢性的な運動不足などの生活の変化が睡眠の質に大きく影響を及ぼしていると考えられるとのことだ。

【左】睡眠の質に関する具体的な悩み【右】睡眠の悩みの原因

コロナ禍の“自粛痛”、最も多いのは「肩」の痛みで8割が睡眠にも影響

「コロナ禍で身体の痛みが増えた」と回答した人は29.6%と、自粛生活により起こった身体の不調や痛みである「自粛痛」を感じていることがわかったという。特に20代は46%と他の世代と比べ、身体の痛みを感じている結果に。

具体的な痛みの箇所は「肩(62.8%)」が最も高く、次いで「腰(59.5%)」「首(57.4%)」という結果となり、若年層はコロナ禍の睡眠の質の悩みで4番目に多かった「スマートフォンの見過ぎ(40.6%)」が影響していることも考えられるとしている。

【左】コロナ禍で体の痛みは増えたか【右】具体的な痛みの箇所

「痛みが睡眠にも影響している」は合計81.1%の人が回答しており、痛みは精神的にも肉体的にも睡眠に与える影響が大きいことが伺える。

睡眠に関する悩みの自由回答では、「在宅になり、動くことが少なくなり腰、肩、首が痛くなることが増えた。(24歳男性)」「向きを変える時に肩や首に痛みが走る。寝つきが悪い。(46歳女性)」などの悩みも散見されたという。

痛みが睡眠にも影響していると感じるか

“1年以上”睡眠の悩みが続いている人は5割以上で、76.8%が悪化

睡眠の悩みは「1年以上」と回答した人が最も多く52.2%となり、また「悪化したと感じる」と回答した人も合計76.8%と、長期化するコロナの影響により睡眠の悩みも慢性化しいることから、回復の兆しがなく悩んでいる人も多くいることが伺えるとのことだ。

【左】睡眠の悩みを感じ始めた期間【右】睡眠の悩みは悪化しているか

また、睡眠に悩みがある人の中で日常生活にも影響があると回答した人は83.3%と高く、「とても影響がある」と回答したのは21.7%と、5人に1人が強く影響を感じている結果となった。

「睡眠の悩みの影響で感じるもの」については、「疲れやすくなった」との回答が65.9%で、身体的な負担が最も多い結果に。

次いで「やる気が出ない、鬱々とする(47.%)」「不安感やネガティブな気持ちになる(43.9%)」「集中力が低下した(43.2%)」など精神面への影響が上位となった。

【左】睡眠の悩みは日常生活にも影響はあるか【右】睡眠の悩みの影響で感じるもの

睡眠に悩みがある人に睡眠の改善に取り組んでいるかを尋ねたところ、「取り組んでいる」と回答したのは62.3%となった。

具体的な改善策としては、「ストレッチをする」という回答が46.5%、「運動する」という回答は45.3%、「マッサージをする」との回答が36%を占め上位となった。

また、「睡眠薬」を取り入れている人は27.9%と一定数いることから、深刻さが伺えるとしている。

睡眠に関する悩みの自由回答では、「気持ちがピリピリしてるので寝付けない(60歳女性)」「常に不安感があり、寝る前に思い出すと悶々としてしまい、目が冴えてしまう。対策がない(50歳女性)」など先行きの見えない不安感による睡眠の悩みがあったとのことだ。

【左】睡眠の悩み改善に取り組んでいるか【右】具体的な改善策

【調査概要】
調査期間:2021年8月
アンケート対象者:20代から60代までの男女
アンケート回答人数:500名

<参考>
ニチバン『<自粛痛と睡眠に関する調査>コロナ禍の平均睡眠時間は6.5時間、睡眠不調は深刻に「睡眠の質」が下がり、眠りが浅くなったと3割が回答