資生堂は、アメリカ地域本社であり同社連結子会社であるShiseido Americas Corporationを通じ、「bareMinerals」「BUXOM」「Laura Mercier」の3ブランドに関し、プライベートエクイティファンドAdvent International Corporation(以下、Advent)が出資する法人に関連資産の譲渡について契約を締結したと発表した。
なお、フランスでの上記ブランドに関わる事業および従業員のAdventへの移管に関する決定は、同国労働法に基づき、従業員代表への情報提供および協議プロセスの完了後に行われるとのことだ。
資生堂グループは中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、スキンビューティー領域をコア事業とするなど事業構造を転換しながら、抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界No.1の企業になることを目指しているとしている。
新型コロナウイルス感染症の影響など外部環境が急激に変化する中、2021年~2023年の3年間は、収益性とキャッシュ・フローを重視し、「スキンビューティーカンパニー」としての基盤を盤石にするための取り組みを推進しているという。
同戦略を推進し、ブランドの優先順位付け、ポートフォリオの最適化、および競争優位性の強化を行う中で、2010年に買収した「bareMinerals」、「BUXOM」、2016年に買収した「Laura Mercier」のメイクアップ3ブランドについては、従業員の雇用を優先事項としながら、外部への事業譲渡を選択することとしたとのことだ。
そして、複数の候補企業について検討を進めた結果、消費財メーカーへのグローバルでの投資実績のある大手プライベートエクイティファンドAdventグループは、これら3ブランドへのマーケティング投資を強化でき、かつ事業拡大への高い専門性を活かしてグローバルな成長を実現できると判断し、今回の譲渡に合意したという。
同社は、同件譲渡により取得する資金を、スキンビューティー領域などの最重要ブランドの育成・買収、デジタルトランスフォーメーション、生産体制・イノベーション強化等に向けた投資に充当することでWithコロナ・Afterコロナの経営基盤を強固なものとするとしている。
そして、2023年の完全復活に向けた成長を実現し、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指すとのことだ。