日本電気(NEC)と赤十字国際委員会(ICRC)は2021年6月8日、グローバルな課題である紛争地の人道問題の解決に日本の技術を活用するための覚書を締結し、プロジェクトが本格始動したと発表した。
同覚書の署名式はオンラインで実施し、NECからは松木俊哉執行役員常務が、ICRCからはペーター・マウラー総裁が覚書にそれぞれ署名を実施。
ICRCマウラー総裁は、「私たちは紛争下で最も弱い立場にいる人々に寄り添う組織」と前置きしたうえで、「テクノロジーやビジネス、人道の分野で連携して、多くの知恵を結集させ、新しいソリューションを生み出したい」と抱負を述べた。
また、NEC松木常務は、「ICRCとはこれまで、画像認識やAIを用いた地雷源(地雷敷設場所)の予測、個人情報データの保護などについて共に議論してきました。我々のプロジェクトがモデルケースとなり、日本の技術が世界の人々を助けるために貢献できるということを広く知ってもらう機会になれば嬉しい」と、共同プロジェクトへの期待を語った。
覚書が締結されたことで、これまで両者が協議していた「紛争地における人道問題の解決に向けた日本の技術の活用」の実現を追求し、人々がより安心・安全な日常を送れるようになることを目指すとのことだ。
【覚書の内容】
情報通信技術(ICT)のソリューションを用いて、(1)画像認識やAIを用いた地雷源(地雷敷設場所)の予測、(2)個人情報データの保護、に貢献することが主な目的であるとしている。
また、協力分野としては、(1)リサーチと開発、(2)技術やスキル面における両者及び現地パートナーの人材育成、(3)ソリューションの実践、(4)デジタルトランスフォーメーションの影響を広く周知するための活動、が挙げられるとのことだ。
NECは最新のICTを活用し、地雷源の予測および個人情報データの保護に関して、紛争地における人道問題の解決に有用なソリューションを生み出すべく、ICRCとのより強固なパートナーシップを構築していくとしている。