ウェザーニューズは、「台風傾向2021」を発表した。

今シーズンの太平洋高気圧は、シーズン前半(〜8月)は概ね平年並の勢力となるが、後半(9〜10月)は西への張り出しが強まる予想としている。

9月以降、偏西風が南下してくる一方で、太平洋高気圧の西への張り出しが徐々に強まる見込み。

フィリピン近海の対流活動と太平洋高気圧の関係(9月)

台風は高気圧の縁を時計回りに進むため、台風が発生した場合、7月は沖縄や朝鮮半島方面へ向かい、8月は西日本や北海道に接近する進路が多くなる予想とのことだ。

9月以降、発生場所もやや西へシフトし、台風は高気圧の縁を時計回りに進んで、平年よりもやや外回りの進路をとって沖縄〜本州付近へ向かうことが多くなりそうだという。

月別の台風進路傾向

ただ、太平洋高気圧の勢力が弱まった時期には、台風を動かす風が弱くなり、複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性があるとしている。

台風の上陸がなかった昨年と比較すると、インド洋全体の平年より高い海面水温は予想されておらず、今年は昨年より本州付近に接近しやすいため、台風の上陸、接近による風雨の影響に特に注意が必要とのことだ。

また、今シーズンの台風発生数は、平年並の24個前後の予想だという。

シーズン前半(~8月)は、北西太平洋熱帯域とインド洋の海面水温が概ね平年並となるため、台風発生数も平年並の予想。

一方、シーズン後半(9~11月)は、太平洋熱帯域でラニーニャ現象に近い海面水温分布、またはラニーニャ現象が発生する可能性があるとしている。

また、インド洋東部では海面水温が高くなる可能性があり、両者が発生した場合、南シナ海〜フィリピン近海では対流活動が活発になる一方、フィリピン東海上の対流活動はやや抑制されるため、後半の台風発生数も平年並となる予想。

このため、シーズン全体としての台風発生数は平年並とし、台風の発生は7月から増え始め、8月をピークに10月まで多いと予想している。