ワークマン既存店598店とWORKMAN Plus 310店、さらに話題の「#ワークマン女子」 5店の計913店を全国に展開するワークマンは初のロードサイド店である「#ワークマン女子」南柏店を6月17日にオープンすると発表した。

「#ワークマン女子」店は今後10年で400店、20年で900店を全国展開するため、南柏店は店舗や運営の標準作りの検証を行う「直営店」。

なお、開店前日の6月16日にはマスコミ、業界紙、アンバサダー向けの内覧会を開くという。

「#ワークマン女子」の売場構成は女性4割、男女兼用(アウトドア上着、レインスーツなど)2割、男性4割で、作業服は扱わないとのことだ。

現在、モール店では女性客が7~8割を占めており、男性製品の売上は売場面積に比例して4割。女性が家族(夫、子供)のものを買うからであるという。駅近のショッピングモールにある「#ワークマン女子」の5店は全て予想を上回る好業績のため、今回は満を持して本命の路面1号店を南柏に出店するとのことだ。

また、モール店で運営ノウハウが蓄積されたため、路面2号店「#ワークマン女子」盛岡南店からフランチャイズ加盟店の募集を開始。アパレル出身者を中心に多数の応募があり選考の結果、既に2店で加盟店が決まる見込みであるという。

また現在、ワークマン店とWORKMAN Plus店は一般客が急増しており、駐車場が満車になりがちであるという。こうした中、現場への行き帰りに立ち寄ることが多い作業客にとって、駐車場に空きがないと仕事に差し支えが生じ、また、作業中に安全靴が壊れた場合は、直ぐに買いに行く必要がある。

既存店は駐車場を常に1台は空けておく必要があり、広めの駐車場を持つ「#ワークマン女子」店に一般客を少し吸収できればとの思いがあるとし、同社は「#ワークマン女子」店を積極出店していくとのことだ。

その作業客重視の証として、作業客に特化した新業態の「WORKMAN Pro」 1号店の板橋前野本通り店を今年12月にオープン。

「#ワークマン女子」 1号店の南柏店の役割

①今後の路面店の大量出店に備えた品揃えの標準化と作業マニュアルを完成するための実証店
⇒ 品揃えと作業マニュアルは5モール店でほぼ固まっているが、路面店に適用できるかの検証が必要

②駐車場が満車状態の周辺のワークマンとWORKMAN Plus店から一般客をどれだけ吸収できるか検証
⇒ 作業客より駐車時間が3倍長い一般客を広い駐車場のある「#ワークマン女子」に誘導したい
(作業客からは一般客が増えて駐車場が混雑して不便になったという声があるため)

③女性が7-8割を占める「#ワークマン女子」モール店に比べて、男性客をどのくらい増やせるかの検証
⇒ 路面店もモール店と同じ品揃え(女性用4割、男女兼用2割、男性用4割)で良いかの確認
同社としては膨大な製品ラインを持つ男性用製品が売れた方が、経営効率が良い

これらは9月までに検証して、結果を踏まえて標準化した「#ワークマン女子」盛岡南店に反映するとしている。

「#ワークマン女子」南柏店の特徴

インスタ、YouTube、Twitter等のSNS投稿と口コミで顧客が顧客を呼ぶ「循環型SNS集客」店舗をめざす

①利用客が購入・試着した衣料や靴をSNSに投稿したくなる仕掛け

  • インスタの「#ぬい撮り」(ぬいぐるみを撮影して投稿)用のオリジナルゆるキャラ 「わくこ」
  • 映えるフィッティングルーム (製品の投稿)
  • 思わずインスタ投稿したくなる映える鏡 (店内の様子の投稿)
  • 思わずインスタ投稿したくなるデザイン外壁 (店舗外観の投稿)
  • インスタの「#足元倶楽部」用のデザイン床 (靴製品の投稿)

②日本初の試着中に子供が遊べる「ママ楽」子連れフィッティングルーム

  • ファミリーでの買い物客が多い「#ワークマン女子」店で、ママが快適に試着できるフィッティングルーム
  • 子供と一緒に入ることができ、子供もママも笑顔になれる「仕掛け」があるフィッティングルーム
  • ママ楽フィッティングルームの中では、SNS用に子供との写真撮影も可能

来店客の3-4%がSNSで店舗や製品を発信すると「バズる」店になるという。

ピンクの2人乗りブランコなどインスタ用仕掛けをたくさん作った「#ワークマン女子」 1号店の桜木町コレットマーレ店のSNS投稿率は6%。高い投稿率で利用客が利用客を呼ぶ循環型の集客ができているため、同店はモール店の売上トップの座を保っているとのことだ。

「#ワークマン女子」路面店の今後の出店

年内       
9月         盛岡南店(単独立地)
10月       長岡川崎店(ショッピングセンター敷地内)
11月       前橋吉岡店(カインズショッピングセンター敷地内)
11月       水戸元吉田店(カインズショッピングセンター敷地内、隣に相乗効果のあるGUがある)

来年度
栃木大平店 (カインズショッピングセンター敷地内) 
浜松市野店 (カインズショッピングセンター敷地内、隣はイオンモール)

その他、栃木県・埼玉県・千葉県で各1店の路面出店のメドが立っているため、モール店7店を合わせると「#ワークマン女子」は合計17店体制になるという。

なお、モール店は既存の桜木町/東京スカイツリー/なんば/川崎/千住の駅近5店ほか、錦糸町と横浜駅の駅近に2店舗進出が決まっている。

「#ワークマン女子」は路面店の全国大量出店を支援する「広告塔」の位置づけで、首都圏と関西圏の乗降客の多いターミナル駅の駅近にあと10店を出店する予定であるとのことだ。

南柏店や盛岡南店などの単独路面店の売上予想(売ノルマはないので予測値)は初年度2.5~3.0億円。

グループ企業カインズなどのショッピングセンター内敷地の店舗はより強い集客力があるので初年度3.2~4.2億円となっている。

「#ワークマン女子」は関東のように既存店の出店密度が高く、WORKMAN Plusの新規出店余地のない地域から優先的に展開していくとしている。