凸版印刷は、同委託研究で開発した技術やノウハウを活用し、時事通信社の日本語ニュース記事を英語にリアルタイムに翻訳して配信する実験を行うと発表した。

同社は、マインドワードと共同で、2019年7月より国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)の委託研究事業「多言語音声翻訳高度化のための統合的深層学習の研究開発」を受託。

ニュースを自動翻訳・自動要約するシステムの構築と配信プラットフォームの統合評価の研究開発を進めているという。

凸版印刷は、同配信実験を経て2021年度に在留外国人・訪日外国人に向けたサービス展開を目指すとのことだ。

LINEによる配信実験の記事画面

【配信実験概要】

目的
日本語ニュースを自動翻訳・自動要約して配信プラットフォームシステムの運用を行うことにより、記事の自動翻訳の受容度を調査し、ユーザビリティなどサービスとしての実用性、翻訳精度を検証。

期間
2021年3月8日~3月31日

対象
NICT委託研究に関わる時事通信社などの企業、大学等の社員・職員など合計100人程度を予定

配信記事数
1日あたり100記事程度

特長
①ニュース対訳コーパスと深層学習に基づく高精度な日英翻訳
②要約コーパスと深層学習に基づく高精度な要約
③LINEアプリで英語記事をリアルタイム配信

役割
・凸版印刷:ニュース配信プラットフォーム環境構築と運用
・マインドワード:自動翻訳・自動要約エンジン・システムの設計
・時事通信社:ニュース記事データ(日英記事、和文記事、ニュース写真等)の使用許諾

凸版印刷は、同配信実験を通じて得た知見を活用して、日本語ニュース記事の自動翻訳配信(英文)のサービス化を目指すとのことだ。

また、日本語ニュース記事の多言語翻訳配信や海外ニュース記事の自動翻訳による日本語配信サービスの検討も行い、多言語コミュニケーションの課題を解決する事業を拡げていくとのことだ。