慶應義塾大学病院は、Apple Watchを利用した臨床研究Apple Watch Heart Studyを開始したと発表した。

同臨床研究は、Apple Watchと心電図アプリケーションで測定する心電図や、脈拍などのさまざまなヘルスケアデータと、独自の研究用iPhoneアプリケーションで収集する睡眠、飲酒、ストレス等に関する調査データを解析することにより、睡眠中・安静時の脈拍と生活習慣との関連を分析。

また、アプリケーション経由でなされる、脈がとぶ、脈が速い等の動悸の申告を元に、心電図やヘルスケアデータの変化を解析。

心電図は心臓に異常がある時に記録することが重要であるが、病院での限られた検査時間中に症状や異常が現れない場合、病気を検出することが困難であるという。

同研究により、家庭でApple Watchのような機器を使用し的確に心臓の異常を記録できるタイミングはどのような時であるのかが明らかにされ、病気の早期発見につながることが期待されるとのことだ。

同臨床研究の対象者は、iPhone(iOS 14.0以降)および、Apple Watch(watchOS 7.0以降)を使用して研究アプリケーション「Heart Study AW」をApp Storeからダウンロードできる人、Apple Watchを睡眠中7日間装着し質問票に回答できる人、日本語を理解できる20歳以上の日本国民、同研究の参加に同意できる人としている。

全国を対象としたApple Watchヘルスケアビッグデータの構築と、医学的な網羅的解析は、類を見ない試みとのことだ。

今後、家庭でのデジタルヘルスケアと適切な医療との連携に貢献することが期待されるとしている。

なお、同臨床研究は慶應義塾大学病院が行うもので、Appleが共同研究等で関与するものではないとしている。