キヤノンは、新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクト「写真新世紀」の2021年度(第44回公募)の募集を3月17日に開始すると発表した。

30周年の節目をもって、「写真新世紀」の公募は今年度で終了するとのことだ。

昨年度の優秀賞受賞者6名

公募は3月17日から5月31日まで行い、6月に開催する「優秀賞選出審査会」において優秀賞7名(組)と佳作14名(組)を選出。

その後、11月に行う「グランプリ選出公開審査会」において優秀賞受賞者の中からグランプリ1名(組)を選出するとのことだ。

審査の様子(昨年度の優秀賞選出審査会にて)

なお、グランプリ受賞者には、奨励金100万円と副賞のキヤノン製品のほか、特典として2022年における個展開催の権利などを授与。

また、優秀賞と佳作の受賞者には奨励金と今年度の受賞作品展への出展などの権利を授与し、受賞者の今後の創作活動を支援するとしている。

なお、今年度をもって「写真新世紀」の公募は終了。「写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援」を目的とする写真コンテストとして長年にわたり国内外から高い評価を受け、昨年度は過去最多の応募者数を記録したという。

一方で、近年はインターネットやSNSといった情報発信における技術革新が進み、個人が自由に情報を発信し、制作・表現の場がグローバルに広がったという社会的背景もあり、30周年となる今年度を節目として公募を終了しするとのことだ。

2022年以降の「写真新世紀」の活動については、詳細が決定次第、「写真新世紀」ホームページにて案内するとしている。

「写真新世紀」は、「写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援」を目的とした文化支援プロジェクトで、1991年にスタートし、今年で30周年。

現代アートシーンで活躍するような写真家・映像作家を発掘するグローバルな写真コンテストとして、今年は美術評論家の椹木野衣(さわらぎのい)氏、写真評論家の清水穣氏など国内外から7名の審査員を迎えて開催するという。

キヤノンでは受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ホームページでの情報発信など、受賞者の育成・支援活動を総合的に行うことで、次世代の写真表現を切り開き、写真界の発展に寄与。

これまでの応募者総数は33,359名(組)に上り、国内外で活躍する優秀な写真家を多数輩出するなど、新人写真家の登竜門として認知されているという。

2021年度(第44回公募)応募要項は以下。

● 応募資格

  • 応募者の国籍、年齢、経験(プロ・アマチュア)は問わない。
  • 個人またはグループでの応募が可能。ただし、グループの場合は今後もグループでの活動を継続していくことが前提であるという。

● 応募条件

  • 過去にコンテストなどで入賞または入選したことのない、オリジナル作品に限るとしている。
  • また、現在ほかのコンテストなどに応募し、まだ結果が判明していない作品は応募できないとのこと。
  • 第三者の権利(著作権、肖像権など)を侵害する作品は応募できない。
  • 応募者1名(組)につき1作品の応募とし、同一人物が個人とグループで重複して応募することはできない。
  • 作品形態、点数などの制限はない。
  • 郵送による作品応募だけではなく、オンラインによるデジタル作品(静止画・動画)の応募も可能。

応募費用:無料(郵送費用については応募者負担)

応募申し込み期間
作品を提出する前に、「写真新世紀」ホームページから申し込みをする必要があるとのことだ。
受付期間:2021年3月17日~2021年5月31日
【郵送による応募】最終日17:00必着
【オンラインによる応募】最終日23:59(日本時間)まで

● 審査員
椹木野衣氏(美術評論家)、清水穣氏(写真評論家)ほか5名

● 審査方法
6月に開催する「優秀賞選出審査会」において、全ての応募作品の中から各審査員が優秀賞を1名(組)ずつ計7名(組)、佳作を2名(組)ずつ計14名(組)選出。

グランプリは、11月に東京都写真美術館で開催する受賞作品展「写真新世紀展2021」の期間中に行われる「グランプリ選出公開審査会」において、優秀賞受賞者7名(組)の中から1名(組)を選出。

● 発表
優秀賞、佳作受賞者には7月末日までに事務局より直接連絡。また、8月初旬までに「写真新世紀」ホームページ上でも発表予定。なお、審査結果に関する問い合わせには応じられないとのことだ。