ファーストリテイリングは、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟したことを発表した。

「The Valuable 500」は、2019年の世界経済フォーラム年次総会で発足した取り組みで、障がい者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革を、ビジネスリーダーが主導していくことを目的としている。

ファーストリテイリングは、2001年に本格的に障がい者雇用を開始して以来、障がいの有無に関わらず、すべての従業員がやりがいを持って働ける環境づくりに取り組んでおり、今回「The Valuable 500」の趣旨に賛同して、障がい者雇用をはじめとする取り組みをさらに推進していくという。

同社は、以下5つの取り組みを柱に、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と尊重)を推進するとしている。

1.障がい者の雇用と受け入れ研修の実施
2001年にユニクロ日本で障がい者雇用を本格的に開始し、国内ユニクロとジーユーの店舗においては1店舗1名以上の採用を目標に、積極的な雇用とやりがいを持って働ける環境づくりに取り組んでいるという。さまざまな障がいのある従業員がそれぞれの能力と可能性を広げるために、店長やトレーナーとなる従業員に向けた研修を行っているとのことだ。

2. お客や従業員の声を反映した、商品・サービスと売り場づくり
ユニクロ日本では、従業員有志が、障がい者や高齢者など、配慮の必要なお客様がより快適に買い物ができる店舗づくりを目指すプロジェクトを立ち上げ、取り組みを進めている。障がいのあるお客との座談会などを通じて、店舗設備や運営オペレーションの検証と改善、障がいのあるお客に配慮したサービスや接客技術の向上にも取り組んでいるとしている。

3. ダイバーシティ&インクルージョン専用ウェブサイトの開設
ファーストリテイリングは2020年3月に、グループのダイバーシティ&インクルージョンに関する情報をグローバルに発信するための専用ウェブサイトを開設。経営陣によるメッセージに加え、障がい者支援、ジェンダー、グローバル・ワンチーム、LGBTQ+といった、ファーストリテイリンググループの重点テーマと各種取り組み、活躍する従業員を紹介している。

4.障がい者スポーツの支援
知的障がいのある人たちのためのスポーツトレーニングと競技会を、アスリートやボランティア用のユニフォームの寄贈や大会の運営ボランティアを通じて支援しており、ユニクロ台湾でも、現地の組織やアスリートを支援しているという。また、ユニクロは2014年から、国際テニス連盟(ITF)が主催する車いすテニスツアーのタイトルスポンサーとして、「ユニクロ車いすテニスツアー」の世界40か国以上で開催される年間150を超える大会に協賛しているとのことだ。

5.地域コミュニティにおける障がい者支援
ユニクロ韓国は2019年に、脳性まひによる障がいのある人を対象に、一人ひとりの身体特性に合わせて脱ぎ着しやすいようリフォームしたユニクロの服を寄贈する取り組みを開始。また、ユニクロシンガポールは2017年から、知的障がいのある学生のための職業訓練施設「APSNデルタ・シニアスクール」を支援しているという。