東芝エネルギーシステムズ、東芝、東洋エンジニアリング、出光興産、ANA、日本CCS調査は、東芝研究開発センターが開発した二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)に電気分解する技術を用いたP2Cプロセスにより排ガスなどからのCO2を「持続可能なジェット燃料(SAF)」に再利用する、カーボンリサイクルのビジネスモデル検討を開始することに合意したと発表した。
今後、各社が持つ知見・技術、プラント設備等を活かし、SAFを供給するサプライチェーンにおける課題抽出や将来のビジネスモデルの検討を共同で実施していくとのことだ。
具体的には、産業設備の排出ガスなどから分離回収したCO2を原料として、再生可能エネルギーと水素を用いたSAFを製造し、フライトまでの供給サプライチェーンの上流から下流まで、一気通貫した検討を行うという。
日本においてはパリ協定に対するNDCで示したCO2排出削減目標の達成に向け、CO2の分離貯留や資源化、再生可能エネルギーの主力電力化や水素利用の拡大、燃料の脱炭素化などの環境イノベーションが期待されている。
また、航空業界ではICAO(国際民間航空機関)がCORSIA(国際航空のためのカーボンオフセットおよび削減スキーム)においてCO2排出削減目標を定めており、効果的な削減手法の1つであるSAFを使用する運航に向け、その安定的製造・供給が強く求められているとのことだ。
高いCO2排出削減能力を持つP2Cプロセスは、CO2を原材料としてSAFを製造する次世代技術として期待されている。
各社は、持続可能な社会の実現をめざし、SAFサプライチェーンの将来ビジネスモデルについて共同で検討を進めていくとしている。