角川ドワンゴ学園 N中等部は、2020年10月30日に「第1回マイクラ遠足」を初開催した。N中等部では、オンラインのコミュニケーションツールに加え、ブロックを設置して遊ぶものづくりゲーム「マインクラフト(以下、マイクラ)」を授業で活用している。

全国に住んでいる生徒同士、住んでいるところが離れているなどの地理的な理由だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大の影響で気軽に一緒に出かけられない状況を受け、ネット上で参加者が楽しめるマイクラを使った遠足を企画したという。

遠足の舞台は、世界中の素晴らしいランドマークを見学できるE-land。E-landは全世界に無料で配布されており、誰でも気軽に世界を旅行できるインターネットの空間。

世界中の有名な建物を見学しながら、その建物の歴史や関連する時事を知ることで、海外に目を向けるきっかけを作り、ワールドワイドな視点で物事を捉え、行動できるようになること目指す。遠足は夕方の部と夜の部の2回行われ、合計60名の生徒が参加たとのことだ。

今回同社はレポートより、オンライン遠足の準備から当日の様子までを発表した。

遠足は、チャットツール「Slack」での告知から始まった。「#スクールからのお知らせ」というチャンネルで通学コース、ネットコースの垣根なく全生徒に向け、遠足の参加者を募集。

応募した生徒は、「#第1回マイクラ遠足」というチャンネルに招待され、当日のしおりや諸注意事項を聞きながら、一緒に参加する生徒同士でコミュニケーションを取ったという。

遠足当日は、ハロウィン前日ということもあり、アバターをハロウィン風にアレンジすることを推奨。事前に作ったアバターを披露しあう姿が見られた。

事前に配布したバーチャルしおりは、一般的に学校で配られる「遠足のしおり」を意識し、このしおりを片手にマイクラの世界を回って勉強できるよう作成。また、マイクラ初心者でも読んでわかるように工夫し、設定の仕方や、記念撮影となるスクリーンショットの方法、迷子にならないためのマイクラの歩き方も盛り込んだという。

当日までの「#第1回マイクラ遠足」チャンネルでは、マイクラ遠足で訪問する場所を撮影したYouTubeのURLを貼ったり、職員による事前練習の模様を動画に撮って紹介したりして、イベント前の期待感を醸成したとのことだ。

遠足当日は、遠足の順路をわかりやすくする工夫として、地面にN中等部カラーの水色で線を引き、見学スポットを赤で記した。

まずは、マレーシアにある、ツインタワーとしては世界一の高さを誇る「ペトロナスツインタワー」を見学。スーツを着て赤ペンの代わりにロケット花火を持った職員のアバターが建物の前で解説する。

説明の中で、なぜツインタワーの間に渡り廊下があるのか、左右で建設した国が違うなど建物の成り立ちを学んだ。「ペトロナスツインタワー」から、当時、米大統領選の熱戦を繰り広げていたアメリカに移動し、ホワイトハウスを訪問。

実際のホワイトハウスは気軽に入れませんが、セキュリティなしで受付を通過でき、中をじっくり見学できるのもマイクラ遠足の魅力となっている。

精巧に再現されたホワイトハウスを見て回ったら、アメリカのメジャースポットである自由の女神像の前で記念撮影をしました。撮った写真はSlackのチャンネルで共有し合ったとのことだ。

次に、ドバイへトロッコに乗って移動。うまく乗れなかったり、逆走してしまったりしても、職員による「集合」の合図で、指定の場所に全員集まることができる仕組みを事前にプログラミングしているため、迷子になる心配がないという。

パーム・ジュメイラというヤシの木のような形をした人工島に到着し、それぞれが作った建築物を島に飾りみんなで写真を撮り合ったとのことだ。

今回初めて開催したマイクラ遠足。生徒からは、「本当に海外で遠足している気分になれました」という感想が多く聞かれ、「満足度」は97.4%、「次も参加したい」と答えたのは100%となった。

次回に向けて、「もう少し撮影の時間が欲しかった!」「トロッコ以外の移動手段も欲しい」という要望もあり、今後もパワーアップしながらより楽しい遠足を作り上げていくとしている。