ナ・デックスと日本電気通信システム(以下、NEC通信システム)は、工場や倉庫等での部品や原材料(以下、資材)の位置情報を高精度で把握し、可視化する「マーカーロケーションシステム」を共同開発したと発表した。

ナ・デックスが12月1日より製造倉庫や物流倉庫等向けに販売を開始し、今後3年間で50件の販売を目指すという。

製造業の現場では、部品や原材料を種別ごとに保管している。これらの資材は生産量に応じた物量(在庫)の変化への対応や製品切替時の保管スペースの確保が課題となっているという。

また、保管スペースが不足した場合には倉庫内の空きスペースを一時保管場所として利用することもあり、複数の資材が混在する中、必要な時にすぐに必要な資材を見つけることができず、資材の位置情報の可視化が求められている。

マーカーロケーションシステム
【ソリューションの構成】

そこで、ナ・デックスのスマートマテリアル管理システム(入出庫管理)とNEC通信システムが開発したNEC マーカー位置測位ソフトウェアにより、入庫した資材を自動的に認識し、そのロケーションを自動的に関連付けることで、資材の種別ごとに保管スペースを確保する必要のないフリーロケーション化を実現するとのことだ。

壁面や柱、資材等に取り付けたマーカーをカメラで撮影し、資材の位置を高い精度で測位することで、資材の入庫ロケーションを自動で認識。

また、これらの資材入庫数量をデータベースで管理することで、タイムリーな在庫管理を実現するという。

これにより、資材の種別ごとに保管スペースを設定することなく、どこにどの資材が保管されているかを可視化し、出庫指示をフロアマップ上で指示することができるようになる。

また、種別ごとに保管エリアを確保する必要がなくなり、空いている保管スペースを有効活用することが可能になるとのことだ。

特徴は以下になる。

  1. 資材保管のフリーロケーション化
    • マーカー位置測位技術を用いて入庫した資材と入庫場所をリアルタイムに検出することで、資材の種別を意識せずに任意の場所に任意の資材を保管できるため、保管スペースを有効利用できる。
    • 入庫した資材と入庫場所をリアルタイムに検出しているため、ピッキング作業や棚卸し作業の効率化が図れることができる。
  2. 取り扱いが簡易でメンテナンスも容易
    • シート状のマーカーを資材に付け、カメラで撮影し位置を測位するため、ビーコン等の装置は不要で取り扱いが簡易に。さらに、電池交換といったメンテナンスも不要となり、保守性に優れているという。
  3. 屋内外をシームレスに位置測位可能
    • 防水加工されたマーカーを使用することで、屋外でも位置の推定が可能となる。屋内外で異なる位置測位装置(ビーコン、GPS等)を用意することが不要になるため、屋内外の資材管理を一元的に行うことができる。

今後は、マーカー位置測位技術を応用しAGV、フォークリフト、作業者などの移動体の導線管理、導線+運搬荷物情報などを連動することで、適応範囲を広げるアプリケーションの開発及び検証を行っていくとしている。