トヨタは、足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」の販売を開始したと発表した。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、トヨタは「もっといいクルマづくり」を支える製造現場のモノづくりの力やTPS(トヨタ生産方式)を活かし、マスクやフェイスシールドの生産、飛沫循環抑制車両の開発、医療用防護ガウンの生産性向上支援等を行ってきた。

今回販売する足踏み式消毒スタンドは、コロナ禍で生産ラインの稼働停止を余儀なくされたトヨタの各工場のメンバーが、「自分たちには何ができるのか」「仲間から感染者を出さない」という想いから、4月上旬から自発的に製作を開始し、活動を広げてきたものであるという。

その後、この足踏み式消毒スタンドを通して、社会に貢献したいとの想いから、医療用防護ガウンプロジェクトにも携わるTPSのプロが加わり、市販化の検討を開始し、試作品を医療機関に持ち込み、専門家の意見を基にベースとなるモデルを決定。

愛知県の医療機関や一部車両販売店をはじめ、大型商業施設や地方自治体などで実際に使われ、実用性や衛生面、重さが気になるなど、ユーザーの様々な声をもらったという。

パーツの取り外し・洗浄、車いすでの使用を可能にし、初号機の約6kgから約3.2kg(マット含む)に軽量化させるなど、利用者の声を反映するとともに、これまでクルマづくりで培ってきたモノづくりの技術・ノウハウを活かし、約30バージョンの試作機を製作するなど、市販化に向け徹底して改善を重ねてきたとのことだ。

今回、誰にでも使いやすく、良いものを、求めやすく届けることに拘り、良品廉価な製品となったこの足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」を、トヨタは、上郷部品センターにて月2,000~2,500個レベルで生産を開始。

12月1日より、国内のトヨタ車両販売店・トヨタレンタリース店を通じて販売するとのことだ。

これらの取り組みは、「『誰ひとり取り残さない』という姿勢で国際社会が目指しているSDGs、持続的な開発目標に本気で取り組む」との豊田社長の宣言通り、世界中の人たちが幸せになるモノやサービスを提供すること、すなわち「幸せを量産する」取り組みの一つであるとしている。

今後もトヨタは、世の中に広く「安心・安全」を届けるため、良品廉価なモノづくりで社会に貢献していくとのことだ。