農林水産省と環境省は、農林水産業における2050年CO2ゼロエミッション達成など14の項目について、両大臣間で連携を強化していくことで合意したと発表した。

農林水産業は、生産者の減少・高齢化、地域コミュニティの衰退といった課題に加え、コロナ危機と気候危機の2つの危機に直面しているという。

また、気候変動問題や海洋プラスチック問題を含むSDGsへの対応や、自然資源を活かした観光振興等の魅力あふれる国土・地域づくりを進めていくためには、農林水産政策と環境政策との緊密な連携が不可欠であるとのことだ。

農林水産省では、今後、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の確保をイノベーションで実現するため、「みどりの食料システム戦略」(仮称)を策定することとしている。

一方、環境省は、地域資源を活かした自立・分散型社会である「地域循環共生圏」の創造に取り組んでおり、これらを更に発展させるため、農林水産省と環境省は、一層の連携強化を図っていくべく、両大臣間で連携の強化について合意したとのことだ。

今回の連携により、両省は、脱炭素社会への移行を促進。

地域の活性化と農林水産業における2050年CO2ゼロエミッション達成を目指し、農山漁村における再生可能エネルギーの導入促進を含む食とエネルギーの地産地消、省エネの取組、バイオマスエネルギーの利用促進、農地土壌への炭素貯留の促進、ブルーカーボンの吸収源としての可能性の検討等に連携協力するとしている。

環境省は、環境省庁舎における 2030 年までの再生可能エネルギー100%(RE100)達成を目指して電力調達に取り組んでいるが、RE100アンバサダーとして、更にRE100の取組拡大を図る。

農林水産省は、環境省における経験・ノウハウの提供を受けつつ、農林水産省庁舎のRE100の実現に向け取り組んでいくとしている。

また、両省はこれら以外にも循環経済への移行や分散型社会への移行、国際交渉における連携を進めるという。さらに、働き方改革や広報戦略で連携を進めていくとしている。

以下が14の項目の概要となる。

  1. 「地域循環共生圏」の創造
  2. 農林水産業における2050年CO2ゼロエミッション達成
  3. 再生可能エネルギー100%(RE100)達成
  4. 木材利用
  5. 食品ロスの削減、プラスチック資源循環
  6. 海洋プラスチックごみ問題の解決
  7. 水環境の保全や水産資源の持続的利用のための取組を推進
  8. 「あふの環(わ)2030プロジェクト」の取組を推進
  9. ワーケーション等を推進
  10. 国立公園と国有林など自然の保護と利用について重点事業や地域を特定し取組を推進
  11. 生態系を活用した防災・減災や農地の多面的機能の発揮に向けた取組を推進
  12. 鳥獣被害の軽減
  13. 気候変動COP26や生物多様性COP15等において連携して交渉に臨む
  14. 働き方改革や広報戦略で連携を進めていく