JALは、研修施設において実施しているJALグループ社員対象の「緊急脱出研修」を、VR(仮想現実)で受講できる方式を8月より導入したと発表した。

同研修は、羽田の整備地区などにある実際の客室を模した研修施設(モックアップ)を使用して実施することから、遠方在勤の社員の受講が課題となっていた。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、研修施設の使用や人の移動に制約がかかり、多くの社員にとって受講が難しい状況となっているという。

これらの課題を解決するため、東芝システムテクノロジーとともに、場所を選ぶことなく受講することができるVR研修教材を制作。

この教材では、緊急事態発生時、パニックが発生した場合の乗客への対応や、機外へ脱出する際に手荷物を持って逃げようとした乗客への対応、スライド滑走後のスライド下での援助の重要性、救命胴衣は着用後すぐに膨らませてはいけない理由などを、実際に声を出したり、手を動かしたりすることで学ぶことができ、施設での研修同様の効果が期待される。

なお、現在は国内での研修を開始しており、今後は海外へも展開していくとのことだ。