LIFULLは、あらゆる人の“したい暮らし”を実現する取り組み「LIFULL HOME’S ACTION FOR ALL」のキャンペーンの一環として、9月1日より渋谷周辺エリアにて、「住宅弱者」問題を問いかける屋外広告を掲出すると発表した。
さらに、住宅弱者について他人事ではない身近な問題であることを理解し、向き合ってもらうためのチェックコンテンツや、不動産会社側から見た住宅弱者問題の裏側を明らかにする「住まい探し」の実態調査第2弾の調査結果も発表。
LIFULL HOME’Sでは2019年11月、さまざまなバックグラウンド(高齢者、外国籍、LGBTQ+、障がい者、生活保護利用者など)を理由に賃貸物件を借りにくいなど住まいの選択肢に制限がある人を住宅弱者と定義し、こうした人々が抱える住まいの課題を解決するための事業活動として「LIFULL HOME’S ACTION FOR ALL」を発足したという。
発足から約1年経ち、コロナショックや相次ぐ災害によって社会情勢が大きく変わった現在の環境下において、以前から住まい・暮らしに関する制限を抱えていた住宅弱者にとって、より一層その制限が強まってしまう状況が生まれているのではないかと考えたとのことだ。
そこで今回、「住宅弱者」の存在と彼らが抱えている問題をより多くの人に知ってもらいたい、コロナ禍の社会情勢を通して「誰しもが『住宅弱者』の当事者になり得る」ということを伝えたい、という想いから、住まい探しにおける根強い差別・偏見・矛盾について考えを問う屋外広告の展開や、最新の実態調査を実施。
屋外広告を展開する東京・渋谷は、さまざまな価値観を持つ人々が集う象徴的な街であり、ダイバーシティへの取組みに地域をあげて力を入れているエリアであるという観点から選定したとのことだ。
広告ビジュアルでは、住宅弱者に含まれる高齢者、外国籍、LGBTQ+、生活保護利用者の人々が住まい探しにおいて直面する様々な制限を具体的に表現。街ゆく人々に驚きと気づきを与える現実的且つショッキングな内容となっているとしている。
また、同社は、今回の渋谷での屋外広告掲出に連動し、住宅弱者が自分にとってより身近なものであると理解してもらえるよう、「住宅弱者度CHECK LIST」を制作。
この先、自身が災害や不慮の事故、コロナ禍におけるパンデミックなど予期せぬ不可抗力によって住宅弱者になる可能性は誰にでも存在しているというメッセージを込めている。
さらに、より住宅弱者を取り巻く課題を顕在化させることを目的に、LIFULL HOME’S に加盟する全国の不動産事業者(賃貸仲介・賃貸管理)を対象にした「住まい探し」の実態調査第2弾を実施。
同調査では、新型コロナ拡大前後で不動産会社が入居希望者審査で重視する項目に変化が見られ、より家賃収入面の安定を重視する傾向になったことが分かったという。
また、外国籍の人との賃貸契約で実際に困った問題の最多回答は、意思疎通の問題ではなく「平等に与えられたルールの順守」で約6割。賃貸管理を行う不動産会社の約半数が「高齢者の孤独死や連絡の無い急な退去で困ったことがある」と回答しており、高齢社会における住宅問題が顕在化したとのことだ。
同社は、これらの結果から、借りる側・貸す側が共に、互いの理解を深めることが重要であるという認識があり、こうした社会問題に対する保障制度の見直しや根本的な知識が足りてないと感じていることがわかったとしている。
今後もLIFULL HOME’Sは、「LIFULL HOME’S ACTION FOR ALL」のユーザーと不動産会社の想いを繋いでいく活動を通し、あらゆる人があらゆる可能性の中から自分の生きたいLIFE、“したい暮らし”が実現できる社会を目指していくとのことだ。