キリンホールディングスは、企業を中心に自然エネルギーの利用拡大を推進するRE-User(自然エネルギーユザ企業ネットワーク)らが提言した、「気候変動に取り組む企業が求める3つの戦略と9つの施策 自然エネルギーの電力を利用しやすい国に」に賛同したことを発表した。

この提言は、公益財団法人自然エネルギー財団が運営する「RE-Users」に参加する大手企業20社の意見をもとに、CDP Worldwide-Japan (CDP Japan)と世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が協力して1月に策定された。

同社をはじめ、新たに多数の企業・団体の賛同を得たことにより、新型コロナ
ウイルスの感染拡大の影響があっても、国を挙げて自然エネルギーの導入・利用を推進できるように、政府と電気事業者に対策を求めていくものとのことだ。

同社は、6月に国際的な宣言である「UnitingBusiness and Governmentsto RecoverBetter」に署名している。これは直近で新型コロナウイルスの影響により各国で経済対策の検討が進められる中、気候変動に対する取り組みを減速させないよう並行して取り組みを進めることと、各国政府に対し、UNGC※(国連グローバル・コンパクト)やSBT(Science-based Targets)イニシアチブ(SBTi)をはじめとする活動について、同様の姿勢を求めることへの賛同を宣言するもの。

今回の政策提言は当社が気候変動に取り組む方向性および上記署名で示す姿勢と整合するものであるため、賛同したとのことだ。

同社は、「2030年までに2015年比で、グループ全体のScope1とScope2の合計を30%、Scope3についても同じく30%削減する」という高い目標を掲げ、2017年にSBTイニシアチブの承認を取得。

徹底した省エネ活動に加えて、燃料転換の実施、ヒートポンプの導入、太陽光発電や風力発電、水力発電による電力の活用、および排水処理設備から得られるバイオガスを利用した発電などの再生可能エネルギーの活用、容器軽量化や共同配送を含むバリューチェーンでのGHG4削減の取り組みなどを進めている。

また、「気候関連財務情報開示タスクフォー(TCFD)」提言に、日本の食品会社として初めて賛同を表明し、シナリオ分析など情報開示を積極的に行っているという。

キリングループは、2月に、社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たなビジョン「キリングループ環境ビジョン2050」を策定。気候変動においては、2050年までにバリューチン全体のGHG排出量ネットゼロを掲げている。

今回の署名はこの取り組みの一環であり、同社は脱炭素社会構築へ向けてリードしていくよう、取り組んでいくという。