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「結果を出したい」
いまこの記事をお読みのビジネスパーソンならば、少なからずこうした気持ちを持って日々の仕事に取り組んでいるのではないだろうか。
ビジネスシーンで求められるスピードが年々加速し、さらにコロナ禍で進んだリモートワーク環境では確固たる結果を出し続けることが求められる時代になった。
筆者の知人のなかでも、特に結果を出し続けているビジネスマンたちは口をそろえて「インプットのクオリティを上げること」が大切だと言う。
「インプット=情報収集」だと捉えると、それが大切であるという事は理解していただけると思う。
では、ニューノーマルの時代を生き抜くトップビジネスマンに求められるインプットのクオリティとは、どのようなものなのだろうか?
そして、クオリティの高いインプットを継続するためにはどうすれば良いのか。
今回はそんな新時代にむけたインプット方法を紹介する。
①理解度を高めるための手法:『呼吸型インプット』を意識する
筆者は経済ニュースパーソナリティという仕事柄、日々刻々と変化する市場の動きを把握し、それを分かりやすく発信する事を日常的に行っている。リスナーにさまざまな情報を届けるためにも、日々流れてくる膨大な情報を一度に自分の頭のなかに入れないといけない。
毎朝6時に起床し、海外市場の動きや経済関連ニュースをスピーディーにまとめて発信するなかで、あることに気付いた。
それは「呼吸のようにインプットとアウトプットをセットで行う」という行動が結果的に情報を理解するスピードを向上させ、知識の定着を促進するということだ。
ただ漫然とニュース記事を読むだけでは、その出来事を点として理解するにとどまってしまう。せっかくの前向きな行動を生かし切れてないのだ。
ただ、以下のような行動をセットで行うことで知識が定着し、時と共にニュースの背景にある大きな動きや、過去から続いてきた伏線などを察することができるようになる。
・1行で記事の内容を要約する
・ニュースサイトなどにコメントを投稿する
・家族に内容を説明する
記事を読む行為(インプット)と記事を理解していないとできない行動(アウトプット)をつねにセットにすることで、記事への理解が飛躍的に深まり、記憶にも残るようになる。
ずっと息を吸い続けるといつか肺の容量が限界を迎えるように、インプットだけを続けていく事はいずれ脳のキャパシティオーバーを招いてしまう。
肺で息を吸うことと吐くことがずっと繰り返されているのと同じように、脳も情報のインプットとアウトプットを絶え間なく繰り返すことで最適化されていくのだと筆者は考えている。
②情報の質を高めるための手法:SNSに頼らない情報収集
呼吸型インプットが大切だということはご理解頂けたと思うが、これと同じくらい大切なのが「インプットの質を確保する」ということだ。呼吸型インプットという行動が身についたとしても、インプットの内容が悪ければ定着する知識の質やスキルの向上は見通しにくくなる。
では、良質なインプットとは何だろうか。わたしは以下の3つの条件に当てはまるものだと考えている。
・情報と意見が明確に区別されている
・賛否両論がバランス良く示されている
・多くの人のチェックを通過している
この3つに当てはまるインプットの代表格は、やはり新聞やテレビ・ラジオのニュース番組である。特に新聞は情報と意見の区別が明確である点、また容易に読み返しが可能である点を考えると、非常に使い勝手がよいメディアだと言える。
一方で、SNSはインプットの内容として質が高いとは言えない。
SNSは基本的に個人が発信しているメディアであり、発信者の主義思想に大きく内容が左右される場合が多い。また、個人の発信であるが故にファクトチェックも甘く、ときとしてデマやフェイクニュースが拡散されることもある。
上記3条件に当てはまるような良質なインプットを行ったうえで、さらにSNSに多面的な意見を求めるという使い方であれば有用だ。ただ、インプットの起点をSNSにしてしまうと単なる個人の意見に流されてしまい、中立的な立場で理解することが難しくなる。
もちろん、新聞やテレビ・ラジオのニュース番組であってもそれぞれの編集方針があり、ニュースの内容や報道の仕方に偏りがあることも事実。伝えられる情報のなかで「事実はどれか」を見極める事も、社会人にとって大切なスキルであると言えよう。
③多角的な角度で情報を把握するための手法:メディアの分散
しかしながら「事実がどれか」を見極める事は容易ではない。
直接的に情報源と接触する機会が少ない我々には、メディアの報道がちゃんと裏付けのあるものかどうかを判断する材料がそろっていないことが多い。
不正確な情報を可能な限り排除するためには、インプット源を複数持つことが重要となる。複数のメディアを比較することで、ロジカルに事実だけを取り出すことができるのだ。
例えば、同じニュースを報じている別の新聞社の記事を読むことが出来れば、2つの記事に共通して書かれている内容を取り出すことで、より確からしい事実に近づくことができる。ただ新聞を複数紙契約している読者も多くはないであろうし、忙しいビジネスマンに新聞をいくつも読んでほしいというのも酷な話だ。
そこで、インプットするメディア形態を分散することをおすすめしたい。
スマホでも紙面でもどちらでも構わないので、あなたの趣味に合う新聞を1紙購読し、毎朝ヘッドラインだけでもいいので、必ず目を通す。
それに加えて、テレビかラジオのニュース番組を習慣的に視聴して見て頂きたい。すると、新聞の紙面と画面や音声で伝えられているニュースが立体的にクロスオーバーして、頭のなかで徐々に事実が明確になってくるはずだ。
また、音声メディアでは聴覚だけでインプットが可能なため、朝の支度をしながら、あるいは通勤電車で仕事のメールをチェックしながらでもインプットをすることが出来る。映像メディアは視覚と聴覚の両方をとられるため、実はインプットの効率化という点においては音声メディアを利用する方が効率が良かったりもする。
最近では、海外の新聞社などが無料で英語のポッドキャストを配信している例も目立つ。朝の支度をしながら英語ニュースのポッドキャストを流し聞きし、電車のなかで国内の新聞の記事をチェックする。そうすればニュースの理解も深まりつつ、時事英語の知識も肉付けできる。
英語となると少々高度なテクニックではあるが、時間を最大限に有効活用するためには音声メディアの利用は積極的に検討してほしい。
①呼吸型インプットを意識する
②インプットの質にこだわる
③複数メディアからインプットする
今日ご紹介した3つのテクニックを使うと、徐々にニュースの内容が頭に入ってきて記憶に残りやすくなる。そしていずれ、その蓄積が次のニュースの理解を助ける場面に必ず巡り会えるはずだ。
「効率よくインプットする」というと、クリッピングサービスを使ったりスマホアプリでヘッドラインだけを眺めたり、という方向になりがちだが、お金をかけたり最新鋭のツールを使ったりせずとも、ちょっとやり方を変えるだけで格段に効率を上げることは可能だ。
3つ一度にトライすることは難しくても、1つずつ変えていくだけでも大きな変化を体感できるので、あなたもぜひ、今日から挑戦してみてはいかがだろうか。
文:DJ Nobby