東芝は、オンライン授業の教師の音声を字幕化し、学生に配信する音声自動字幕システムToScLiveTMを開発した。
ToScLiveTMは簡単な操作で使用することができ、手軽に授業に導入することができるという。
精度の高い音声認識にはマイクなど音響設備の細かい設定が必要であるため、授業開始前に声を吹き込むだけでマイクの動作状況を確認できるガイド機能を用意しているとのことだ。
また、講義資料などのテキストデータから専門用語を自動抽出する機能を開発したため、オンライン授業の音声認識の精度向上について、用語を個別に登録するより準備時間を要しないとしている。
ToScLiveTMは、同社が2019年3月に公表した「会議・講演向け音声自動字幕システム」に基づくシステムで、音声認識率は発言内容を事前学習なしで十分に把握できるレベルと言われる85%を達成しているという。
昨今、新型コロナウイルスの感染拡大により、学校の授業のオンライン化が急速に進行し、準備期間が少ないままオンライン授業に移行したため、教育現場では授業の質の維持が課題となっている。
そこで同社は今回のシステムを開発するに至ったとしている。
ToScLiveTMの実証実験は、6月中に慶應義塾大学と法政大学において開始予定で、実証実験を通じて教師や学生から効果や課題の聞き取りを行うことで、システムの有効性を高め、早期の教育現場への導入を目指していくとのことだ。