JAXAが、2017年度に開始した省エネルギー・CO2削減効果を高めるための取り組み(以下、コミッショニング)について、対象機器を更新することで、省エネルギーに大きく貢献できることが判明したと発表した。
対象機器は筑波宇宙センターの人工衛星試験室等の空調用中央熱源機器。設置から20年が経過していたという。長年の運用により、不具合が発生した際には事業影響リスクが大きい面やJAXA全体の4%を占めるエネルギー消費量であったりと、問題点が顕在化していた。
同コミッショニングでは、最適な熱流量制御になるよう、各冷水制御のチューニングを実施。その結果、対象機器の容量に20%の削減余地があることが分かった。
具体的な省エネルギー効果としては、2016年度と比べ2018年度は、電力量891,729 kWhの削減、原油換算で221kL/年の削減に成功したとしている。
また、JAXAは2018年度に、ESCO事業導入に関する検討を行い、対象機器の老朽化更新および最適な運用による省エネルギーの実現を目的としたESCO事業の契約を締結。
2019年度には設備更新の設計・工事および試運転調整(2020年2月現在実施中)を行っており、2020年度より実運用に至るとしている。
ESCO事業導入による効果として、老朽化故障による衛星試験等への影響リスクの低減やCO2排出量の削減を達成を見込んでいるという。
同機構は、今後も継続的なチューニングとコミッショニングを行い、省エネルギーのみならず、エネルギー安定供給と事業推進への貢献に努めるとしている。