Facebookは、インターネットにおける有害コンテンツ拡散を防ぐべく、オンラインコンテンツ規制に関するホワイトペーパーを発表した。

インターネットは、経済の発展やチャリティ寄付、政治改革の実現に役立ってきた。しかし同時に、ヘイトスピーチやテロリストのプロパガンダといった有害コンテンツの拡散を容易にしている要因でもあるという。

同社のCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、各国政府に対し、オンラインプラットフォーム各社と共同でオンラインコンテンツに関する新しい規制を策定・適用する必要性について呼びかけている。

そこで同社は規制のためのガイドラインとして、「インセンティブ」「インターネットのグローバル性」「表現の自由」「テクノロジー」「相応性と必要性」の基本方針を提案。内容については以下のとおり。

インセンティブ

安全、プライバシー、表現の自由といった価値のバランスを企業が責任を持って維持するようなインセンティブを創り出す最善の方法は、企業に対しコンテンツモデレーション体制と手順に関する説明責任の遂行を義務付ける。

インターネットのグローバル性

有害コンテンツ対策として国内向け規制を設ける場合には、インターネットの世界的規模と国境を超えたコミュニケーションの価値を考慮したアプローチが必要。それは規制当局間、また各規制間の相互運用性を高めるようなものであるべき。

表現の自由

規制当局の決定については、市民的、政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第19条に反しないことはもちろん、決定が表現の自由に与える影響も考慮される必要がある。

テクノロジー

規制当局はコンテンツモデレーションにおけるテクノロジーの能力と限界に関する理解を培い、関連企業にイノベーションの余地を認める必要がある。

相応性と必要性

規制の対象とする有害コンテンツについては、そのコンテンツの深刻性と蔓延度、法律上の立場など、すでに進行中の他の対策を考慮に入れる必要がある。

これらの方針をもとに、政府と企業と市民組織が協力して規制づくりをすることで、インターネットのさらなる発展が期待できるとのことだ。