WalkMeと日経BPコンサルティングが、SaaSの導入・選定に密接に関わる意思決定関与者を対象に共同で調査を実施し、SaaS導入後の定着化に関する調査報告書を公開した。

主な調査結果は以下の5点。

導入しているSaaSの業務領域

導入しているSaaSの業務領域は多岐にわたり、最も導入率が高かったのはコラボレーションで、「既に導入している」企業は65.1%という結果となった。

SaaSの導入数

各社は複数のSaaSを導入しており、平均は5.9だった。

なお、企業規模が大きいほどその数は多く、1000人以上の大企業は7.6で、5000人以上1万人未満の大企業では9.4となった。

SaaS導入検討時の目的

SaaS導入を検討した際の目的として「業務の効率化」を挙げた人の比率が、他の目的に比べて群を抜いて高い比率となった。

SaaS導入後の課題

“ユーザーへの定着化”は、システムの機能、ベンダーに関することや、データ活用、経営への効果の証明といった要因以上に大きな課題となっている。

利用促進/定着化を図るための施策の実施状況

具体的な対策として実施しているのは、「社内マニュアル、FAQの作成・展開」が86.4%で最も多く、「講習会など社内・部内のトレーニング実施」が72.0%と続いた。

しかし、どちらも約60%が「業務負荷が大きい」と回答する一方、「成果が上がっている」と回答した比率はわずか30%強に留まっている。

今回の調査において、今後3年間で、約8割もの企業がSaaSへの投資を増やすと回答したが、「定着化」の課題は残っているという結果となった。

ユーザーの不満を取り除き、定着化を促進していくためには、「システムの操作方法」に対する丁寧な手配りを通して、ユーザーのSaaSに対する理解・共感を醸成していくことが今後とも重要になるだろう。

【調査概要】
・調査実施:WalkMe株式会社、株式会社日経BPコンサルティング
・実施機関:株式会社日経BPコンサルティング
・調査方法:オンライン上でのアンケート調査
・実施期間:2019年11月12日(火)〜11月20日(水)
・調査地域:日本全国
・有効回答数:436名(SaaS導入済みで、全員がSaaSの導入・選定に関与する立場)
※調査結果は、単数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある