2019年10月11日、トヨタ自動車(以下、トヨタ)は人工知能や自動運転などの新しいテクノロジーによる「新しい時代の愛車」を具現化したコンセプトカー「LQ」を公表した。

同車は、未来の愛車体験コンセプトを忠実に実現し、Toyota Research Institute(米国)と共同開発したAIエージェントや自動運転機能を搭載している。

「LQ」の主な特徴と搭載されている技術

  1. モビリティエキスパート AIエージェント「YUI」
  2. AIエージェント「YUI」は、モビリティエキスパートとしてお客様一人一人に寄り添い、特別な移動体験を提供することを目的に開発された。表情やコミュニケーションを各種HMI(Human Machine Interface)を用いて働きかけ、安全・安心・快適な移動に貢献するという。

    JTBやAWA、NTTドコモの協力のもと、スマートフォンなどの端末とクルマの連携を進め、今後はさらにサポートする領域を拡大していくことを目指すようだ。

  3. 「安全・安心」、「快適な」移動体験に関わる技術
    • SAEレベル4相当の自動運転機能を搭載
    • 無人自動バレーパーキングシステム
    • 乗降場と駐車スペース間で無人自動運転ができるシステム。駐車が苦手な方の負担を軽減する。

    • AR-HUD
    • AR(Augmented Reality)表示ができるHUD(Head Up Display)によってHUDの情報表示エリアを拡大し、ドライバーの視線移動を低減させる。

    • 覚醒・リラックス誘導機能付きシート(世界初)
    • ドライバーの状態に合わせて、シートに内蔵した複数のエアブラダー(空気袋)や空調機能で覚醒やリラックスをサポートし、運転に適した状態を維持する。

  4. その他の先進装備・技術
    • 新しいHMI機能
    • 車両のルーフやフロアマットをHMI領域として活用し、乗員に直感的でわかりやすく情報を伝えられる。また、複雑な図形や文字を路面に描画することができるDMD(Digital Micromirror Device)式ヘッドライトによって、ドライバーに路面状況を知らせたり、車内外のコミュニケーションが可能となる。

    • 有機ELメーター(トヨタ初)
    • 有機EL(Emitting Diode)ディスプレイを採用。高い視認性を確保しながら、ディスプレイを大きく曲げることで先進的なインパネ造形を際立たせる。

    • 大気浄化塗料
    • オゾンを酸素に分解する新開発触媒塗料をラジエーターファンに塗布し、光化学スモッグの原因となる地表付近のオゾンを分解する。

  5. デザイン
  6. 車両は、キャビンを前に出した未来的シルエットとし、車両中央にある「YUI」を起点に車両内外をシームレスに連続させる「INSIDE OUT」をデザインテーマとして採用。

    内装では、エアコンの吹き出し口を乗員から見えない場所に配置するインビジブルレジスタを採用することでインパネ周辺の凹凸が少ないシンプルな造形おなっている。

    外装では、ドアの下部もガラス面とすることで、ドア部分と車内空間がシームレスにつながり、より洗練された造形に。

2020年6月から9月に、AIエージェント「YUI」を搭載した「LQ」の試乗会「トヨタYUIプロジェクトTOURS 2020」を実施予定。

スマートフォンアプリから趣味・嗜好を「YUI」に教えることで、ひとりひとりに最適化した「YUI」が搭載された「LQ」に試乗することができる。

トヨタ自動車、「新しい時代の愛車」を具現化した「LQ」を公表
トヨタ自動車