就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークは2019年6月17日、「上場企業の時給ランキング2019」を発表した。

それによると、キーエンスが時給8,037円でトップとなった。

30内で唯一の平均年収2,000万円超となったキーエンスがトップ

ランキングは1位がキーエンスで8,037円、2位が三菱商事で7,035円、3位が三井物産で6,634円、以下、伊藤忠商事、三菱地所、松紅と続いた。

今年の時給ランキングで1位となったキーエンスは、工場の自動化に必要な各種センサ、測定機器等の開発から製造、販売までを行う企業である。

BtoBビジネスであるため企業としての知名度は高くないが、時給ランキングでも常にトップ10以内にランクインする「高時給企業」の常連である。業績は7期連続で最高益を出しており、それに比例するように平均年収も年々引き上がっている。

今年はトップ30内で唯一の平均年収2,000万円超となり、決して少なくない平均残業時間(61.5時間)であっても、唯一8000円台を突破。商社を押さえて初のトップとなった。

以下で、高時給企業たちのコメントを抜粋して紹介する。

「現在の平均年収は2000万を超えている。2年目で1000万超え、30ちょいで2000万超え。この年収カーブで計算すると生涯賃金は8億~9億になる。これは総合商社の約2倍に相当する。(開発、男性、キーエンス、年収2300万円)」

「終身雇用を前提とした日系企業の中では、最高レベルの待遇と言えると思う。駐在した場合には更に諸手当が付き収入が2倍になることも珍しくない。昇進してもしなくても、ある程度は年功序列で収入が上がっていき、純粋な収入面では大きな差が付かないシステムになっている。(営業、女性、三菱商事、年収1700万円)」

「世間で知られている通り、額面での給与水準は、国内でもトップクラスであることは間違いない。ただし、他商社との横並び意識や関係取引先も多数にのぼることから外資系投資銀行等のように著しく高い給与水準となることはない。最近では、早朝出勤に伴う朝食補助、勤務時の服装(脱スーツ)、がんに対する取り組みなどいわゆる給与以外の点に対してのサポートを厚くしている。(管理部門、男性、伊藤忠商事、年収1300万円)」

「年功序列で毎年コツコツ上がっていく。会社業績は油価と為替で大きく左右されるため、事業のマイルストーンが速攻会社の業績に結びつく訳ではない。したがって賞与も毎年大きな変化はない。(技術、男性、国際石油開発帝石、年収800万円)」

「役割等級制度(7グレード)で管理職群(5~7等級)は昇級・降級がなければ給与は変わらず。定期昇給なし。手当の類はほぼ無し。管理職になると借り上げ社宅制度も適用外になるため、自己負担となる。賞与は業績連動+個人評価型(算式あり)。個人差はあるものの、概ね3~5年周期くらいで全国転勤しますので、住居については悩ましい問題となります。(販売部門、男性、伊藤忠エネクス、年収1000万円)」


※本調査は2019年5月時点のもの。
集計期間は2016年1月~2019年5月に行われた。集計期間内にOpenWorkへのレポート回答が5件以上ある上場企業2179社を対象とし、有価証券報告書に記載されている平均年収データ(2017年度)と、各社の月間標準労働時間(標準労働時間×20日として集計)及びOpenWorkに投稿されている「平均残業時間(月間)」から「時給」を算出した。標準労働時間は各企業採用情報等を確認し、職種・勤務地により異なる場合は代表的な職種または本社の労働時間を採用している。時給は小数点以下四捨五入、平均年収は万円単位で掲載している。純粋持株会社はランキングから除いている。

<参照元>
『「上場企業の時給ランキング2019」発表!』