2019年6月12日にアマゾン ウェブ サービス ジャパンは、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)が、音楽権利情報処理を容易かつ効率的に行うためのシステム基盤にアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)の、Amazon Managed Blockchainを採用することを発表した。
SMEは、音楽クリエイティブの生産性向上に貢献することを目指し、クリエイターにとって重要な音楽の権利情報を迅速かつセキュアに処理するために、2019年5月2日に日本で提供が開始されたAmazon Managed Blockchainを採用することを決定。これにより、適切な権利処理を維持しながら生産性を向上させ、新世代のクリエイターやヒットコンテンツを生み出せる環境を作り出すという。
Amazon Managed Blockchainはフルマネージド型のブロックチェーンサービスで、信頼できる中央機関がなくても、複数の当事者がデータを直接かつ安全に処理および所有できるサービスだ。
一般的なオープンソースフレームワークであるHyperledger FabricやEthereumを使用して、スケーラブルなブロックチェーンネットワークを簡単に作成し管理できる。ブロックチェーンはトランザクションの信頼性と安全性を保証するためのテクノロジーで、ピアツーピアネットワーク(ブロックチェーンネットワーク)によりこれを実現する。
ネットワーク内の各参加者にはトランザクションを記録する共有台帳へのアクセス権があり、トランザクションは不変かつ単独での検証が可能になっている。
ソニーミュージックグループの管理業務統括会社としてグループ全体の情報システムを推進・支援している、ソニー・ミュージックアクシスの佐藤亘宏氏は、以下のように述べている。
「SMEが、AWSを利用している理由は、絶えずサービスコストを大幅に削減しながら、高度かつ最新技術を使ったサービスと充実したサポートを提供し続けてくれているからです。SMEは以前から、クリエイターと音楽の権利情報を守りたいと考えていましたが、AWSからAmazon Managed Blockchainが提供されたことから、本システムの開発を決断いたしました。Amazon Managed Blockchainは高いセキュリティと可用性、柔軟性を兼ね備えていること、また他社と比較した場合に安価で開発できることが採用の決め手となりました」。