ディスコは2019年4月15日、2020年卒業予定の学生を対象に調査した「キャリタス就活2020就職希望企業ランキング」(総合/文理/男女/業種/学校群)を発表した。
また、これに伴い日本人海外留学生の就職活動を支援する情報サイトCFN(Career Forum.Net)を通じて実施した就職希望企業調査結果(調査期間:2018年9月28日~10月25日)と比較し、それぞれの環境や経験によって浮かびあがってくる志向の違いなどについて分析した。
それによると、国内学生の支持を集めたのは総合商社、海外留学生の人気は外資系、コンサルに集中していることがわかった。
鮮明に分かれる国内学生と海外留学生の企業選び
国内総合ランキングのトップに輝いたのは伊藤忠商事だった。一昨年の7位から昨年は2位に上昇し、今年は首位を獲得した。
また、三菱商事が3ランクアップして3位に入るなど、全体としては、銀行の順位がダウンしているのに対して、総合商社が順位を伸ばす結果となった。このほかJTBグループは、昨年39位から8位へと大幅なランクアップを果たした。
一方、海外留学生の人気企業を見てみると、Deloitte Tohmatsuを筆頭に、2位にPwC、7位にマッキンゼー・アンド・カンパニーなどコンサルティング系企業に多くの票が集まった。
また、アマゾン、グーグルといったグローバルIT企業がランクインするなど、留学先として多い北米の現地学生の就職先としても人気の高い企業が上位に入っている。
日本企業でTOP10にランクインしたのは三菱商事、全日本空輸の2社。一方で国内学生のランキングTOP10に外資系企業は1社もなく、企業選びの違いが鮮明に出ている。
「安定」と「高収入」に分かれる志向
国内学生と海外留学生に、職業観・キャリア意識についても尋ね、両者の比較を行った。特に意識の違いが浮き彫りになった回答結果について紹介する。
職業観については、国内学生では「仕事は自分の生活を安定させる手段」との答えが約6割に対し、海外留学生は「夢を実現する手段」が7割近くになった。
また、海外留学生では「高収入を得たい」が大半ですが、国内学生では「生活が安定していれば収入にはこだわらない」も少なくない結果になり、国内学生の安定志向がうかがえる。
働き方では、国内学生は「ひとつの会社で長期的に」が7割近くに上った。一方、海外留学生は「同じ会社で働くことにはこだわらない」が約6割と、転職に対する意識の差が顕著に表れている。国内学生では「海外で働きたい」が3割未満にとどまるのに対し、海外留学生では7割近くに達している。
同社は、両者の比較から、国内学生は、生活の安定のため長期的に安心して働ける企業を求めており、海外留学生は、留学経験を活かし、グローバルに活躍できる環境を求めていることが読み取れるとし、こうしたキャリア観・志向の違いが、就職先選びに大きく影響していると述べた。
※本調査は2019年3月時点のもの。
「キャリタス就活2020 就職希望企業ランキング調査」は、就職情報サイト「キャリタス就活2020」会員のうち、調査対象大学に在籍する大学3年生および修士1年生5,859名(大学生4,532名、大学院生1,327名)を対象に実施。インターネット上のアンケートで就職希望企業をデータベースから志望度順に最大10社(5位までは必須選択)まで選択してもらい、1位:10ポイント、2位:9ポイント、そして、10位:1ポイントとして換算。ポイント数によって就職希望企業ランキングを決定(学年および企業名は2018年10月末時点のもの)
<参照元>
『<国内学生VS海外留学生>就職人気ランキング&キャリア意識調査を発表!国内学生と海外留学生の「目指す働き方」の違いとは? ~キャリタス就活2020・CFN就職希望企業ランキング・キャリア意識調査~』