INDEX
あしたのチームでは、中小企業の経営者を対象として、景況感や自社の課題についてのインターネット調査(※)を実施。その結果を発表した。主な調査結果は以下のとおり。
- 4割の経営者が2020年まで景気が上昇すると予測。2025年までは経営者の45%が景気は悪化すると予測
- 自社の1年後の収益見通しについて、都市部の経営者の36%は増益すると予測。地方の経営者で増益すると予測したのは28.6%にとどまる
- 経営者にとって明るい兆しになると思うことの1位は「安定した取引先の存在」(61.7%)
- 中小企業が考える自社の強みで最も多いのは「お客様ニーズへの対応力」(51.3%)
- 中小企業が考える自社の課題で最も多いのは「売り上げ拡大」(51.7%)
- 従業員採用・育成のために現在取り組んでいることの1位は「定年延長・再雇用」(52.0%)。今後取り組みたいことの1位は「賃金・人事評価制度の見直し」(36.5%)
4割の経営者が2020年まで景気上昇と予測、2025年までは経営者の45%が悪化すると予測
2020年までの国内景気、2025年の国内景気について、それぞれ現在と比較してどのようになると思いますか。(単数回答)n=300
調査対象者に2020年まで、2025年までのそれぞれの国内景気予想を聞いた。その結果、2020年までは「好転する」(5.3%)、「やや好転する」(34.3%)あわせ39.6%が好転を予想。2025年までは、「好転する」(2.0%)、「やや好転する」(16.3%)あわせて好転との予想は18.3%にとどまった。逆に「やや悪化する」(29.0%)、「悪化する」(16.0%)を合計し45.0%の経営者が悪化すると予測した。
同社では、2020年までは消費税増税前の駆け込み需要や軽減成立による消費の好影響、東京オリンピック・パラリンピックなどにより一時的に景気が上昇すると見込まれている一方で、2025年まではその反動を懸念しているのかもしれないと推測している。
自社の1年後の収益見通し。都市部の経営者の36%が増益を予測。地方の経営者で増益と予測したのは28.6%
あなたの会社の1年後の収益の見通しをお答えください。(単数回答)n=300
自社の1年後の収益について聞いたところ、都市部の企業(本社の所在地が東京・大阪)では「良くなる」(8.7%)、「やや良くなる」(27.3%)あわせて、36.0%が増益を予測。たいして地方の企業(本社の所在地が東京・大阪以外)では、「良くなる」(5.3%)、「やや良くなる」(23.3%)で増益を予測したのは28.6%にとどまった。同社では、都市部・地方で、わずかではあるが1年後の見通しの明るさに差が出る結果となったとコメントしている。
経営者にとって明るい兆しになると思うことの1位は「安定した取引先の存在」
会社経営にとって明るい兆しとなると思うことをお答えください。(複数回答)n=300
経営者にとって明るい兆しとなると思うことは何か聞いたところ、トップは「安定した取引先の存在」(61.7%)だった。以下、「他にはない技術やノウハウ」(45.0%)、第3位は「組織・会社の一体感」(28.0%)が続いた。
同社はこの結果について、取引先や自社の技術・ノウハウといった身近な要因を明るい兆しにあげる経営者が多いのに対し、「東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博による特需」(14.3%)、「経済政策」(13.7%)といった外的な要因をあげる経営者は少なかったとコメントしている。
中小企業が考える自社の強み。最も多いのは「お客様ニーズへの対応力」
あなたの会社の強みをお答えください。(複数回答)n=300
中小企業が自社の強みとしてあげたなかで最も多かったのは「お客様ニーズへの対応力」(51.3%)で、「商品・サービスの品質」(37.3%)が続いた。都市部・地方間で5ポイント以上の差がついた項目に注目すると、地方では「技術力」(42.0%)、「他社との提携関係」(19.3%)が都市部の企業と比較して上回っていた。同社では、地方企業にはこれまで培った技術力、他社との提携関係を協力が基盤と考える経営者が多いようだとコメントしている。
中小企業が考える自社の課題。最も多いのは「売り上げ拡大」
あなたの会社の課題としてあてはまるものをお答えください。(複数回答)n=300
自社の課題は何か聞いたところ、全体の1位にあがったのは「売上拡大」(51.7%)だった。とりわけ都市部の企業においては、経営者の57.3%が「売り上げ拡大」と回答。地方企業に注目すると、1位「従業員の採用・育成」(52.0%)、2位「後継者の育成」(46.7%)のように、会社を支える”人”に関する項目が上位にあがっている。この結果を受け同社では、少子高齢化・人口流出が深刻な地方において、人材確保・後継者が切迫した課題となっていることが明らかになった、と指摘している。
従業員採用・育成のために現在取り組んでいることの1位は「定年延長・再雇用」。今後取り組みたいことの1位は「賃金・人事評価制度の見直し」
従業員の採用・育成のために現在取り組んでいることと、現在は取り組んでいないが今後取り組みたいことをお答えください。(複数回答)n=148 ※自社の課題として「従業員の採用・育成」を回答した方
自社の課題について「従業員の採用・育成」と回答した対象者へ、従業員の採用・育成のために現在取り組んでいることやこれから取り組みたいことはなにか聞いた。結果、現在取り組んでいることの1位は「定年延長・再雇用」(52.0%)で、「女性の積極的な採用・登用」など人材確保に関連した内容が上位となった。
一方、現在取り組んでいないものの今後取り組みたいことの1位は「賃金・人事評価制度の見直し」(36.5%)で、「福利厚生制度の見直し」(31.1%)などが続いた。この結果について同社では、正当な賃金や人事評価、福利厚生の充実などによって、従業員に長く働いてもらい、雇用を安定させたいと考える経営者が多いのではないかと推測している。
※調査概要
- インターネット調査
- 全国の従業員5人以上300人未満の企業の経営者、20歳~79歳の男女
- 有効回答数:300人(<都市部>東京都・大阪府に本社を置く経営者:150 人、<地方>東京・大阪以外の道府県に本社を置く経営者:150人)
- 調査実施日:2019年2月19日(火)~2019年2月21日(木)
<参照元>
「~中小企業の景況感と自社の課題に関する調査~」
あしたのチーム