日経BP社は2019年2月15日、マーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「トレンドマップ 2019冬」を発表した。

「トレンドマップ 2019冬」とは「技術」「マーケティング」「消費」の潮流を見極めるために、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボードのメンバーと、編集部の記者などの知見を集約し、その分析結果を可視化したものだ。

分析手法

技術、マーケティング、経営の専門家ら約40人が参加するアドバイザリーボードのメンバーと、日経クロストレンド、日経トレンディ編集部員を対象にアンケートを2019年1月に実施。編集部が選定したキーワードをそれぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ね1~5点でスコアリングしたという。質問の選択肢は下記の通り。

  • 経済インパクト
    1. どの企業も収益を得られていない
    2. 一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している
    3. 一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している
    4. 大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している
    5. 社会全体になくてはならない存在
  • 将来性(=企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)
    1. 将来性は低い
    2. 将来性はやや低い
    3. どちらとも言えない
    4. 将来性はやや高い
    5. 将来性は高い

キャッシュレス、5G、オムニチャネル、お一人様への期待高まる

前回調査と比べて将来性スコアが各分野で最も伸びたのが、技術は「5G」と「キャッシュレス決済」、マーケティングは「オムニチャネル」、消費は「お一人様」となった。

技術分野は「5G」の将来性への期待が「AI」を上回る

経済インパクトスコアの1位は「スマートフォン」、スコアは5点満点中の4.81となった。企業独自のスマートフォンアプリ、QRコード決済などの普及で、企業がユーザーと関係を構築するうえで必要不可欠なものとなっている。

将来性スコアの1位は「5G(第5世代通信システム)」でスコアは4.70。2019年に国内で先行サービスが開始される見込みの5Gは、さまざまな産業での実験を目にする段階に入り、ビジネスを変えるという期待が高まっている。

  • 経済インパクトスコア
  • 将来性スコア

マーケティングは「EC」が両スコアで首位

マーケティング分野では「EC」が経済インパクトスコアで4.10、将来性スコアで4.67と最も高くなった。

メーカーは、ECを顧客と継続的な関係を構築する新たな機会としても注目している。そうした状況も反映し、顧客がECサイトを通じて継続購入するサブスクリプション型コマースも将来性スコア4.25と3位に入った。

  • 経済インパクトスコア
  • 将来性スコア

消費分野は「アクティブシニア」市場に注目

消費分野で将来性スコアが最も高かったのは、2018夏の調査では2位だった「アクティブシニア」で4.61。経済インパクトスコアは3.61で、両スコアで1位となった。2位にも将来性、経済インパクトともに「コト消費」が入った。

  • 経済インパクトスコア
  • 将来性スコア

なお、トレンドマップは2月15日から「日経クロストレンド」Webサイトにて公開されている。

img:PR TIMES