2019年2月8日、ソフトバンクグループとソフトバンクロボティクスは、人型ロボット「Pepper」を活用した授業支援ツールのアップグレードなどの施策を2019年3月以降順次開始することを発表した。

また2017年4月から開始している「Pepper 社会貢献プログラム」の期間終了後の継続学習プログラムの提供についても引き続きプログラミング教育の環境を提供していく意向を示した。

「Pepper 社会貢献プログラム」期間終了後の継続学習

「Pepper 社会貢献プログラム」は、ロボットと共生する未来の社会を担う子供たちに向けてプログラミング教育の拡大を目指すもので、自治体・非営利団体・教育機関にPepperを貸し出し、2020年に小学校で始まるプログラミング教育必修化に向けて行っている教育支援。

今回、「Pepper 社会貢献プログラム」の「スクールチャレンジ」に参加している小中学校を対象に1校につきPepperを1台、2020年4月1日から2022年3月末まで無償で貸し出すという。(※1)

また、「Pepper社会貢献プログラム2(※2)」では、当初の貸出期間終了後も、これまでと同額で最長3年間継続して貸し出すとのことだ。

「Pepper 社会貢献プログラム」の授業支援ツールを拡充

  1. Robo Blocks のアップグレード
  2. 分かりやすく快適にプログラミングを学ぶことができる「RoboBlocks(ロボブロックス※3)」をアップグレードし、小中高大でより専門的な内容を求める学習者に向けてPepperを活用したプログラミング授業が実施可能となるとのことだ。

    なおアップグレード版は2019年3月末に提供予定。

    主なアップグレードは以下のとおり。

    • 「IoT チャレンジ」で提供する「micro:bit(マイクロビット)」と連携する機能追加により幅広いセンサー情報が取得可能となり、小学校新学習指導要領(理科) に対応
    • Web API などネットワーク上の情報を取得する機能追加により、双方向性のあるコンテンツのプログラム作成が可能となり、中学校新学習指導要領(技術・家庭科)に対応
    • JavaScript に対応し、独自のブロック作成や作ったプログラムのコードによる表示が可能
    • より効率的なプログラミングができる「ブロック定義(関数)」「リスト(配列)」などの新ブロックを追加
    • Pepper に搭載されたディスプレーを外部の大型モニターに映し出し、授業を行うことが可能
  3. Robo Blocks スクールテンプレートの提供
  4. プログラミング教育以外にもPepperを活用するための施策として、教員が授業を簡単に編成できる「Robo Blocks スクールテンプレート」の提供を開始。

    「アイスブレイク」や「ディスカッション」「2 択クイズ」など、約20種類のテンプレートが展開され、Pepperを使った授業プログラムが簡単に作成可能。

    2019年3月末に「情報モラル」に関する授業プログラムを第1弾として提供予定。

  5. 教師用指導書の改訂と専用テキストの拡充
  6. 専用テキストを新たに開発し現場指導者の授業の準備や実施における負担を軽減するとともに、児童生徒用ワークシートを含む小中学校向け教師用指導書を使いやすい内容に改訂するという。

    改訂版の教師用指導書と専用テキストは、2019年3月末に提供する予定とのことだ。

※1 2台目以降の貸し出しは基本料無料ですが、保険などの実費相当費用として月額2万円 (社会貢献特別料金)がかかります。
※2 2018年4月に開始した、Pepper社会貢献プログラムの第2弾で、教育機関に3年間、Pepperを1台当たり月額2万円(税抜き)で貸し出すプログラミング教育支援活動。
※3 Robo Blocks は、ビジュアルプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」をベースに、Pepper 社会貢献プログラム用にソフトバンクグループとソフトバンクロボティクスが開発したロボット・プログラミングツールで

img:SoftBankGroup