人材派遣で知られるアデコは、学生のときからインターネットやパソコンに慣れ親しんできたデジタルネイティブ世代(以下、デジタル世代※1)とデジタル世代を部下に持つ管理職を対象として、仕事に対する考え方やコミュニケーションに関する意識調査(※2)の結果を発表した。


 (※1)本調査では、20代をデジタルネイティブ世代と定義

主な調査結果は以下のとおりだった。

  • デジタル世代は管理職と比べ仕事に「やりがい」を求めない傾向。仕事の目的を「やりがい」と回答した割合は、管理者の方がデジタル世代より18.4%高い。
  • デジタル世代は仕事に対して管理職より「残業が少ない」「休暇が取りやすい」ことを重視する傾向にあり、転職志向も高い。
  • デジタル世代が好むのは「挑戦を支援する」上司より「相談に乗ってくれる」上司
  • 上司からの飲み会やランチの誘い、SNSによるコミュニケーションをデジタル世代は好まない傾向

(※2)調査概要
調査対象:①デジタル世代:20代で企業や団体で勤務している男女、②デジタル世代を部下に持つ管理職(係長以上)
サンプル:①デジタル世代:500人、②管理職:500人
調査方法:インターネット調査
実施時期:2018年9月28日~29日

デジタル世代は仕事の「やりがい」より「残業が少なく、休暇が取りやすい」ことを重視

  • あなたが仕事をする目的は?
  • デジタル世代と管理職に仕事をする目的について聞いたところ、デジタル世代が「やりがいや達成感を得るため」と答えた割合は管理職より18.4ポイントも低く32.2%にとどまった。

    「仕事を通じて社会に貢献する」、「社会的な成功を得る」といった項目についても、管理職と比べてデジタル世代は10ポイント以上低い。

  • 仕事をする上で、重視していることは何ですか?
  • 「仕事をする上で重視することは何か」という質問では、デジタル世代は管理職より「残業が少なく、休暇が取りやすい」ことを求める傾向にあり、管理職と比べ20ポイント以上の差がついた。

仕事の満足度はデジタル世代より管理職の方が10ポイント高い

  • あなたの現在の仕事への満足度は?
  • 仕事や職場に対する満足度を聞いたところ、全体的にデジタル世代より管理職の方が満足度は高かった。特に大きな差がついたのが「仕事内容」に対する満足度で、約10ポイントも管理職の方が高くなっている。

転職志向は、管理職よりデジタル世代の方が17.6ポイント高い

  • 現在、転職活動をしていますか?
  • 管理職・デジタル世代ともに1年以内に転職をしたいと考えている割合は1割にとどまった一方で、将来的に転職したいと考えているデジタル世代は、管理職と比べ約1割高かった。

    また「転職することは考えていない」をえらんだ割合が管理職では63.2%だったのに対し、デジタル世代では45.6%で、17.6ポイントの差がついている。

    この結果からアデコは、デジタル世代の方が、転職に対して抵抗感が薄いことがうかがえると語っている。

デジタル世代の理想的な働き方は「1つの企業や団体にのみ属して働くこと」

  • 理想的な働き方は?
  • 理想的な働き方についての質問では、「1つの企業や団体にのみ属して働く」をえらんだ割合が管理職・デジタル世代ともに5割を超えた。また昨今では働き方の多様性に注目が集まっているものの、意外にもデジタル世代より管理職の方が起業・フリーランスといった独立志向が高くなっている。

デジタル世代は、挑戦を支援するより相談に乗ってくれる上司を好む傾向

  • 理想の上司像は?
  • 理想的な上司像をデジタル世代に聞き、管理職には自分が20代だったころに理想的と考えていた上司像を聞いた。

    その結果、デジタル世代では「挑戦しがいのある仕事を任せてくれる」と答えた割合が最も低かった一方、「仕事で困った事について相談に乗ってくれる」上司がトップとなった。

    この結果に基づきアデコでは、デジタル世代が挑戦を支援してくれる上司より相談に乗ってくれる上司を好む傾向にあることがわかったと語っている。

管理職のデジタル世代に対する印象は「デジタルスキルが高く、打たれ弱い」

管理職にデジタル世代に対する印象を聞いたところ、良いと思う点では「PCスキル、デジタルスキルが高い」がトップに、課題と思う点では「打たれ弱さ・ストレス耐性の低さ」がトップになった。

そのほか、デジタル世代の「ビジネスマナーの不足」、「一般常識・教養の不足」を課題と感じる管理職が多いという結果もでている。

デジタル世代は管理職よりTwitterやInstagramなどを利用する傾向

SNSの使用状況を聞いたところ、デジタル世代・管理職共にYouTubeの使用率が最も高かかった。一方、SNSの使用率は全体的にデジタル世代の方が高く、特に「Twitter」、「Instagram」、「Facebook」では大きな差がついている。

またデジタル世代は管理職世代と比べ、SNSでの情報発信を行う際に他者からどう見られるか意識する傾向にあり、新聞・本などの紙媒体から情報をえる機会が少ないという結果となった。

デジタル世代は管理職からの「飲み会やランチの誘い」を煩わしく感じる傾向

コミュニケーションに関する質問において、管理職はデジタル世代と円滑な関係を築くため「メールやSNSでコミュニケーションをとるようにする」、「飲み会やランチに誘う」を挙げている。

それに対してデジタル世代は、上司や先輩からのコミュニケーションのうち「飲み会やランチの誘い」を煩わしく感じている割合が高く、両者にギャップがみられた。

img:PR TIMES