SMBCコンシューマーファイナンスは、2018年10月2日~3日の2日間、20歳~29歳の男女を対象に「20代の金銭感覚についての意識調査2018」をインターネットリサーチで実施し、集計結果を2018年12月4日に公開した。(調査協力会社:ネットエイジア)

それによると、20代の金銭感覚は倹約から堅実に移行する傾向がみられ、いわゆる背伸び消費より等身大消費にあることがわかったという。

“背伸び消費”より“等身大消費”が20代の消費スタイル


今回の調査のなかで、全回答者1,000名に、お金の使い方に関するさまざまな意識について、それぞれどの程度同意するかを聞いた。

まず、<多少無理しても、良いものにお金をかけたい>では、『そう思う(計)』(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計、以下同じ)が56.4%、<無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい>では、『そう思う(計)』が86.3%となった。

同社では、この傾向を“背伸び消費”より“等身大消費”が20代の消費スタイルのようだとしている。

また、<購入検討する際、同じ商品群・サービスのなかで「最安値」のものは必ずチェックする>では、『そう思う(計)』が85.4%、<商品やサービスのレビュー(口コミ)を必ずチェックする>では、『そう思う(計)』が81.1%となった。

買える範囲でしっかりと良いものを選ぶためにも、最安値や口コミのチェックは欠かせない、“調べ尽くし消費”は20代の常識といえそうだという。同社では、20代の貯蓄の平均額が減少している一方でお小遣いの平均額が増加していたことを踏まえると、20代では“倹約”志向よりも“堅実消費”志向が強くなってきているとの見解を示している。

さらに、<多少高くても、社会のためになる活動をしている企業の商品・サービスを購入したい>では、『そう思う(計)』が38.5%となった。

男女別にみると、『そう思う(計)』は男性47.4%、女性29.6%となり、企業の社会貢献度が消費のきっかけになる“エシカル消費”には、男性のほうが前向きであることがわかったという。

キャッシュレス派は少数派

続いて、支払い手段に関する質問をした。全回答者に、スーパーやコンビニなどでの普段の買い物では現金決済よりキャッシュレス決済のほうが多いと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は44.1%、『そう思わない(計)』は55.9%で、キャッシュレス派が少数派と
いう結果となった。

男女別にみると、『そう思う(計)』は男性48.8%、女性39.4%で、男性のほうが10ポイント近く高くなりました。キャッシュレス決済を利用することが多いのは女性より男性のようである。

また、支払いの際に、キャッシュレス決済を選びたくなるシーンを聞いたところ、「ポイントが2重、3重に貯まるとき」が47.9%でもっとも多く、次いで、「お得な特典(割引優待やポイント付与など)があるとき」が43.2%、「ネット通販で買うとき」が41.6%、「高額な商品を買うとき」が30.7%、「急いでいるとき」が 29.9%となった。

同社では、キャッシュレス決済でお得になる機会が増えると、キャッシュレス派の20代は増えていくのではないかとみている。

20代は“こだわり消費”や“つながり消費”に前向き

そして、全回答者に、お金をかけたい対象について、それぞれどの程度同意するかを聞いた。

まず、<自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」にお金をかけたい>では、『そう思う(計)』が87.6%となった。同社では“こだわり消費”には、大多数の20代が前向きなようだとしている。

また、<友人とのつながりを感じるための「もの」や「こと」にお金をかけたい>では、『そう思う(計)』が51.1%となった。20代の半数以上が“つながり消費”に前向きなようだという。

一方、<SNS映えしそうな「もの」や「こと」(SNSに写真をアップすると目を引く「もの」や「こと」)にお金をかけたい>では、『そう思う(計)』が25.7%、『そう思わない(計)』が74.3%となった。“SNS 映え消費”に前向きな人は 4 人に1人という結果だった。

同社の2017年の調査や、2018年3月に発表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査 2018」をみると、SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使った経験がある人の割合は、20代では33.0%と、30代(60.4%)・40代(56.4%)と比べて低くなっている。

同社では、SNS映え消費の経験率や今後の意向率の低さを考えると、20代は“SNS 映え消費”に消極的といえるのではないかとしている。

また、<話のネタになりそうな、珍しい「もの」や「こと」にお金をかけたい>では、『そう思う(計)』が35.8%、『そう思わない(計)』が64.2%となった。“ネタ消費”にお金をかけたいと思わない20代も多いようである。

ひと月の上限額の最高額は自分の趣味嗜好対し10,618円

そして、次に、それぞれの消費に対して、ひと月あたり、いくらくらいまでならお金を使えるかを聞いた。

お金をかけたいと思う人に、かけられる上限額を聞き、その平均額をみると、もっとも高かったのは、<自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」>で10,618円、次いで、<友人とのつながりを感じるための「もの」や「こと」>が6,732円、<SNS映えしそうな「もの」や「こと」>が2,781円、<話のネタになりそうな、珍しい「もの」や「こと」>が2,371円となった。

同社では、20代は自分が好きなことや楽しみにお金を多くかけたいと思っていることがわかったとしている。

<参照元>
「20代の金銭感覚についての意識調査 2018」
SMBCコンシューマーファイナンス