ディップでは、自社の総合求人情報サイト「はたらこねっと」で、「はたらこねっとユーザーアンケート 勤務条件の改善について」調査を実施。その結果を発表した。

アンケート結果では、現在の勤務条件に満足していない人は46%にのぼり、改善要望を出しても8割超は勤務条件が改善されていなかった。また「希望していない雇用形態」で勤務している人は全体の32%にのぼっていた。キャリアアップ助成金を知っている「理解している」と答えたのは全体の9%にとどまった。

調査概要は以下のとおりだ。

  • 調査対象

    はたらこねっとユーザー
  • 実施時期

    2018年6月11日(月)~2018年7月8日(日)
  • 調査手法

    インターネット調査・ 有効回答数:1,447

現在の勤務条件に「満足していない」人は全体の約半数

Q1.現在の勤務先の勤務条件に満足していますか?

現在の勤務条件に満足しているか聞いたところ、「とても満足している」(5%)・「満足している」(27%)と答えたのは、あわせても全体の約3人に1人(計32%)にとどまった。逆に「まったく満足していない」(13%)・「満足していない」(33%)あわせると全体の46%となり、約半数が現在の勤務条件に不満をもっているという結果となった。

Q2.勤務条件の改善を勤務先に要望したことがありますか?

くわえて勤務先に対し勤務条件の改善要望をしたことがあるか聞いたところ、「ある」と答えたのは全体の43%だった。

Q3.「ある」と回答された方、要望した後に勤務条件は改善されましたか?

その結果、実際に「改善した」とこたえたのはわずか15%にとどまり、全体の8割超(85%)は改善に至っていないという結果となった。

Q4.「ない」と回答された方、今後勤務条件の要望をしたいと思いますか?

一方、「ない」と回答した人のうち、今後勤務条件の要望をしたいと思うかきいたところ、「してみたい」との回答は36%にとどまり、「今後も要望することがない」(64%)との回答が大きく上回った。

勤務先が勤務条件の改善に努めるために、ユーザーが希望することを聞いたところ、以下のように「勤務条件を改善した企業を優良企業として評価する」、「勤務条件を改善しない企業へ罰則を設ける」といった意見が上がった。

はたらこねっとユーザーの「企業が勤務条件の改善に努めるために希望すること」についてのコメントを以下に抜粋した。

▽勤務条件が改善されたら優良企業として評価する

  • 助成金だけでなく、改善された改善された企業を公表し、優良企業として評価すべき
  • 福利厚生や企業内の現状をきちんと精査する機関があるとよい

▽勤務条件を改善しない企業に罰則を設ける

  • 制度を設けない、実施していない企業への罰則を法律で整備する
  • 企業への罰則つきの法律が伴わないと、実践されるのは難しいと思う

▽改善状況管理する機関を設ける

  • 改善していると判断できているか、しっかり確認できる機関が必要

約3人に1人は現在の雇用形態を「希望していない」。理由は「年齢の壁」「正社員の条件が厳しい」

Q5.現在の雇用形態はご自身の希望どおりのものですか?

現在の雇用形態が希望したものか聞いたところ、「希望通りの雇用形態」と答えたのは34%にとどまり、逆に「希望していない雇用形態」との回答は32%に及んだ。そのほか、「とくに雇用形態にこだわっていない」との回答は、全体の34%だった。

「希望していない雇用形態」と答えた理由を聞いたところ、「年齢の壁」・「正社員の条件が厳しい」「条件が合えば雇用形態にこだわらない」といった声が多く上がった。

なおそれぞれの理由の詳細については以下のとおり。

▽年齢の壁がある

  • 年齢的に雇用されにくい
  • 正社員になりたいが、年齢的には採用が難しいと思う

▽正社員の条件が厳しい

  • 正社員制度があるとのことで入社したが、条件が厳しくなかなかそのレベルまで引き上げてくれない
  • 正社員の試験を受けてはいるものの、なかなか受からない

▽雇用形態にこだわりがない

  • 働きやすい環境ならそれでよい
  • 希望する時間に働ければなんでもよい

勤務先で大きな改善がみられるのは「勤務時間」。「給与」「評価」などの改善率は低い。

Q6.雇用者が改善してほしいことと雇用主が実際に改善に取り組んでいること

雇用者が雇用主に改善してほしいことのトップは。ダントツで「給与を増やしてほしい」(62%)で、それから30%以上下がって「評価・昇給・昇格制度を整えてほしい」(28%)、「自分に合った仕事内容にしてほしい」(21%)が続いた。

雇用者が改善してほしいことと比較して、実際に勤務先が改善したことの割合が増えたのは、「残業時間の短縮」「時短労働勤務」「自分に合った勤務時間」のように、勤務時間に関する内容だった。

たいして「給与の増加」「評価・昇給・昇格制度を整える」「正規雇用者と同等の待遇」のように、企業の人事制度・待遇面では、改善が低い傾向となった。

「キャリアアップ助成金」を理解していると答えたのはわずか9%

Q7.「キャリアアップ助成金」を知っていますか?

この調査ではキャリアアップ助成金を知っているかについても聞いている。結果「聞いたことがない」が59%で最多となり、「聞いたことがあるが、理解していない」が32%、「聞いたことがあり、理解している」は全体のわずか9%にとどまった。

img:PRTIMES