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デジタル広告の分野では、消費者の状況に応じて最適な広告を配信するターゲティング広告が求められる。
特に、地域ごとに変化する気温や天候などの気象条件に応じて配信する“気象ターゲティング広告”へのニーズが高い。しかし各エリアで刻々と変化する気象への対応は、運用負担が高く現実的なものではなかった。
そこで凸版印刷は、気象連動広告「Shufoo! 気象ターゲティング広告」の配信を、2018年11月7日より開始することを発表した。
電子チラシサービスと環境データマートの連携
Shufoo!気象ターゲティング広告サービス利用イメージ
©Toppan Printing Co., Ltd.
「Shufoo! 気象ターゲティング広告」は、Shufoo!アプリ内での気象連動広告だ。希望に応じたエリアへ天候や気温に合わせた広告を、Shufoo!内に自動配信できる。
「Shufoo!(シュフー)」は凸版印刷が運営する、国内最大級の電子チラシサービス。グループ会社であるマピオンが提供する「環境データマート」の情報と連携し、定常的で精度の高い情報の自動配信を可能にした。
マピオンの環境データマートは、気象や交通状況等のエリアごとに常に変化する情報、人口統計などのジオグラフィックデータといった各種地域環境データを提供している。
環境データマートから気象データを取得。Shufoo!DMPに蓄積した各ユーザーの買い物行動エリアなどで、配信対象をセグメント化する。設定された気象条件に応じて、Shufoo!アプリ内において自動で広告を配信、というのがShufoo!気象ターゲティング広告の仕組みだ。
Shufoo! 気象ターゲティング広告サービス概要
© Toppan Printing Co., Ltd.
具体的には、マピオンのデータマートから、周辺施設・エリア特性・天気と気温の情報を取得。Shufoo!DMPの買い物行動圏・チラシ閲覧カテゴリといった情報と掛け合わせることで、5℃下がったエリアへは鍋の広告、5℃上がったエリアへはアイスの広告を出すということが可能だ。
Shufoo!は家計を握る主婦に対してチラシという形でコンテンツを提供し、購買行動へつなげている。ユーザーに気象条件に応じた最適なタイミングでの広告配信サービスをすることで、広告の価値が高まるという。
Shufoo!気象ターゲティング広告の特徴
Shufoo! 気象ターゲティング広告 実証実験での事例
© Toppan Printing Co., Ltd.
Shufoo!気象ターゲティング広告には、以下のような特徴がある。
- 常に変化する天候に対応して、自動で配信が行われる。最適なタイミングでの配信でも、運用負荷が軽い。
- ターゲティング可能な最小単位は1kmメッシュ。配信エリアは、必要に応じて自由に設定できる。
- Shufoo!ユーザーは購買意欲が高く、広告効果が高い。
ターゲット企業として想定しているのは、気象により購買行動に影響があると考えられるあらゆる企業だ。
流通小売業では、スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、家電店、衣料品店などが対象となる。飲料、食品、日用品、化粧品などのメーカー。そのほかにも、外食サービス、飲食宅配サービス、ネットスーパー、娯楽施設などでの利用が見込まれる。
事前実証実験では、2017年冬にメニューWEBチラシで、前日との気温差-5度の予報が出た際に手動での配信設定を実施した。結果、平均でCTRが5倍の値を示した。
気象ターゲティング広告による、さらなる価値向上
凸版印刷はShufoo! 気象ターゲティング広告の売り上げについて、2018年度に500万円、2019年度1,200万円を目指している。
今後も、マピオンの環境データマートを活用した新サービスの開発を行い、Shufoo!のさらなる価値向上を図るという。
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