NECは11月1日、AI活用の検証から導入、活用までをトータルに支援するAI活用プラットフォーム「NEC Advanced Analytics Platform(AAPF)」に、最先端AI技術を順次搭載していくと発表した。

第一弾として、現在搭載しているNECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の「異種混合学習」に加え、新たに「RAPID機械学習」、「テキスト含意認識」を搭載し強化するという。

複数のAI技術を組み合わせた検証~導入~活用が可能に

昨今、企業ではAIを活用した新たな価値創出による新ビジネス創出や業務効率化への期待が高まっている。しかし一方で、複数のAI技術を組み合わせた検証や、検証後の業務適用の難しさなどの課題もある。

NECのAAPFでは、データサイエンティストによる「検証」、アプリケーション開発者による「導入」、ユーザによる「活用」を包括的に支援し、プロフェッショナルの協働による「みんなで創るAI」を実現し、複数のAI技術を組み合わせた検証~導入~活用が可能となるという。

さらに、AAPF上で利用できる業種・業務別テンプレート群「NEC Advanced Analytics Platform Solution Templates」を製品化し、多種多様な業種・業務でのAI活用を支援する。このテンプレート群は2019年3月より順次提供を予定している。

今回の取り組みでは、AI活用プラットフォームのAAPFに、新たに、分析を高速・軽量に処理するディープラーニングエンジン「RAPID機械学習」と、二つの文が同じ意味を含むかどうかを高精度・高速に判定する「テキスト含意認識」を搭載した。

NECによると、この独自技術により多種多様なデータから自動で複数の規則性を発見できる「異種混合学習」と合わせて3種類のAI技術が利用可能になったという。

これにより、利用者は単一環境でさまざまなAI技術が利用できるため、複数の分析パターンを比較評価し、最適なAI技術が選択可能になる。

また、数値とテキストを組み合わせた分析ができるなど、複数のAI技術を適材適所で多目的に活用し、多様な業務で活用していくことが可能になるとしている。

簡単にデータサイエンティストの分析結果の取得が可能に

利用者は、需要予測や品質分析などの業務テンプレートから、自身の業務に合ったものを選択し、テンプレートのガイダンスに従ってデータを用意し入力するだけで、簡単にデータサイエンティストの知見を活用した詳細な分析結果を得ることができるという。

これにより、AIの活用イメージがわかり、価値をいち早く検証することができる。

また、分析過程においては、各現場の業務、条件に合うようにテンプレートをカスタマイズして分析することができ、継続的な業務効率の向上と高度化を支援。

各テンプレートには、200件以上の業種・業務別の分析事例から、それらを検証するための分析設計と分析結果の可視化手法を抽出して整備し、製品に組み込んでいる。

第一弾として、NECプラットフォームズやNECフィールディングでのAI活用ノウハウをもとにした「製品需要予測テンプレート」、「保守部品需要予測テンプレート」の提供を予定し、順次テンプレートを追加していく方針だ。

img:NEC