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10月17日は、日本銀行が定めた「貯蓄の日」だそうだ。2001年に「貯蓄から投資へ」という政府方針が掲げられてから17年が経過している。
けれど余裕がないなどの理由で、投資はおろか貯蓄さえ十分にできていない人が多いのではないだろうか。
一方で、収入の2割以上を投資へまわす人は1年で100万円以上の資産増を実現しているという興味深い調査結果結果が公開された。
9割以上が貯蓄のみでは将来の備えとして不十分と回答
お金の教養を身につけるための総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」では、2018年9月1日(土)〜9月16日(日)に同校の受講生202名を対象として、「貯蓄と投資に関する意識調査」を実施した。
まず将来の備えとしての貯蓄に関して聞いたところ、全体の実に97%が「貯蓄のみで十分だとは思わない」と回答。
ほぼ全員の回答者が、少子高齢化がすすむこれからの社会においては、貯蓄以外の選択肢が必要と考えていることが分かった。
もともとお金に対して高い意識をもつスクール受講生を対象とした調査となるので、ある程度の偏りはあるかもしれないものの、この結果からほとんどの人が将来に対する経済的な不安があり、貯蓄以外の資産形成が必要と考えていることがわかる。
収入の2割未満しか貯蓄に回さない人が約半数にのぼる
次に手取り収入のうちでどのくらいの割合を貯蓄しているか聞いたところ、2割未満と答える人が全体の約半数に及んだ。
さらに2割を貯蓄へ回すという人と合計すると、貯蓄割合が2割以下という人が全体の7割に上っていることがわかった。貯蓄もあまり十分にできていない人が多いようだ。
収入から投資へ回す割合が2割未満のみという人が全体の約8割
手取り収入の中で投資に回している割合を聞いたところ、全体の実に約8割が2割未満と回答。
前述の問いで9割以上の人が貯蓄以外に資産を増やす何らかの手立てが必要と考えていることが分かったものの、実際に行動ができている人は少数派のようだ。
自身の今後の資産形成の在り方について問題意識を持ちつつも、その解決策を見いだせずに悶々としている人が多いということだろう。
なお投資をしていない人にその理由を聞いたところ、最も多かった回答は「知識がないから」であった。当然だが投資はメリットだけではない。お金が増えることもあれば減ることもある。
知識がないことも原因でお金が減ってしまう可能性があることを必要以上に不安があり、投資に対して及び腰になっている人が多いということだろう。裏を返せば十分な知識さえ獲得できれば、投資をしようと考える人が増えると想定される。
収入の2割以上を投資に回す人の約半数が、過去1年で資産を100万円以上増やす
投資額と資産増の関係について、今回の調査では興味深い結果が公開されている。収入の2割以上を投資に回している人の約半数(48%)が「過去1年間で100万円以上資産が増えた」と答えたのだ。
一方で、投資の割合が収入の2割未満の人でみると、100万円以上の資産増を実現しているのは全体の20%に過ぎず、両者で約30%もの開きがあることがわかった。
ちなみに増え幅が「20~40万円未満」と答えた人の割合に関しても、資産割合「2割以上」「2割未満」両者の間で20%の差が生じており、投資割合と資産の増え幅には相関関係があることがわかる。
資産を増やすにあたり金利が低い現代においては特に、貯蓄より投資の方が効率的なのはいうまでもない。ただこの調査結果を聞いて驚く人は多いのではないだろうか。
こういったデータが広まれば、現在投資に足踏みをしている人の背中を押せることだろう。自身の資産形成について悩みを抱えるひと人は、投資について今一度考え直してみてもいいだろう。
貯蓄より投資の割合が多い人の方が資産は増える傾向に
この調査では、さらに貯蓄・投資の割合と資産増の関係性についても調べている。
結果、収入の中で「貯蓄割合が2割以上/2割未満」 「投資割合が2割以上/2割未満」を比較したところ、過去1年間で100万円以上の資産増を記録した人の割合に関し、貯蓄・投資両方でその割合と資産増加に相関関係がみられた。
くわえて「貯蓄2割以上、かつ投資2割未満」と「投資2割以上、かつ貯蓄2割未満」の人を比較したところ、後者の方が20%以上も過去1年で100万円以上資産を増やした人が多いことがわかった。
貯蓄より積極的に投資へ踏み切る人の方が、多くの資産を増やしているようだ。
金融経済に関する知識・教育の普及が重要に
今回の調査でみられたように、少子高齢化がすすむ現代において、ほとんどの人が貯蓄だけでは不安と考えていることがわかった。
その一方で、金融経済に関する知識不足から投資に踏み切れない人が多い事実も明らかになっている。
収入の2割以上を投資に回している人が、大幅な資産増に成功しているという結果も出ている。「貯蓄から投資へ」という政府方針を実現するためにも、金融経済に関する知識や教育の普及が必要といえるだろう。
img:PR TIMES