総務省の「平成30年版 情報通信白書」によると、市場は物流、農業、通信やエネルギーその他インフラなどの高所・遠隔地でのモニタリングにプロフェッショナル(業務用)ドローンの用途が拡大を続けている。

国内では特区において林業や物流におけるドローン活用や、携帯電話の基地局をドローンに搭載することで災害時における通信手段を確保するといった実証実験が進められている。このため、世界のドローン市場は2020年には33.3億ドルに達するという。

「地域創生×ドローン」をテーマにドローン空撮を軸にした事業を展開する株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)は、“「個」の発信力を活用して地域の魅力を発掘する”をコンセプトに、地域のドローン絶景地とドローン愛好家をマッチングするプラットフォーム『そらチケ』をリリースした。また、ティザーサイトによる一般ドローンユーザーの仮登録を開始した。

愛好家と自治体・観光施設をドローンでマッチング

同社によると、近年、ドローンの俯瞰的な空撮映像は地域の魅力のコンテンツ発信ツールとして注目を集めているという。地域のPR動画にも多く活用され、ドローン愛好家が撮影した映像がSNSで注目を浴びることもあるという。

一方、航空法や自治体の定めたルールによりドローンの飛行は制限されているほか、土地管理者への許諾窓口や方法(民法上、ドローンの飛行には土地管理者の許可が必要)が不明確なことが多く、ドローン愛好家が地域にでかけて空撮をすることは現実的には非常に難しい環境にある。

Dron é motionでは、ドローン愛好家がそれぞれの視点で空撮した映像コンテンツの魅力に注目し、絶景地での空撮を楽しみたいドローン愛好家と自然発生的なドローン空撮コンテンツを観光PRとして活用したい自治体・観光施設をマッチングする『そらチケ』を開発した。

『そらチケ』はドローン愛好家(ユーザー)が以下の、3ステップでドローン空撮を許可のもとで楽しめるサービスだ。

  1. ドローン絶景地を探す
  2. 申し込む
  3. 土地管理者より許可を得る

土地管理者は、ドローン愛好家が撮影した空撮コンテンツがSNSなどで共有・拡散されることによりPR効果を期待することができる。

また、近年は土地管理者に無許可で飛行をする一部の悪質なドローンユーザーも増えており、フライト許可のためのフローやルールを明確にすることが重要だ。

『そらチケ』は申し込みフローが統一され、ユーザーのフライト履歴やプロフィールが確認できるほか、フライト時に最大10億円の保険(対人・対物)が適用される仕組みによって安全にドローン空撮を楽しめ、そして絶景空撮コンテンツが自然発生的に共有される環境を提供することができるという。

地権者側、ユーザーともに多大なメリットが

運用されるシステムは、ITサービス開発とドローン利活用を推進する株式会社ORSOと、大分県のICTリーディングカンパニー株式会社オーイーシーが開発する活用したサービスとして提供される。

具体的には、次のようなメリットがある。

    地権者側のメリット

  • 保険適用により性善説による管理不要
  • 国内外のドローングラファ誘致が可能
  • パイロット情報を事前に確認する事が可能
  • 機体シリアルを確認することで事故報告義務の発生
  • 撮影者のデータを確認及び利用の簡便性
  • ドローン映像によるPR力強化
    ドローングラファ側のメリット

  • 保険適用による万が一のサポート(対物対人)
  • 撮影できるスポットの明確化
  • フライト実績と安全性の実績を蓄積可能
  • 撮影の許可を得るプロセスの簡素化
  • フライト履歴管理が可能(簡易的)

『そらチケ』は、10月中旬にクローズドβ版によるテストを開始し、11月中旬より正式にサービス開始する。サービス開始時には、空撮スポットを提供する予定だ。オープン後はドローン愛好家向けにユーザー登録(無料)を募集するとともに、空撮スポットのさらな拡充を図っていく方針だ。

多くの自治体や企業が参加を表明

現在、ドローンを使ったさまざまなプロジェクトが始動しているが、それらは地方創生に関するものが多い。今回の『そらチケ』もその一つだ。

すでに以下の自治体や企業が参加を表明しているようだ。

  • 広島県神石高原町
  • 山中湖撫岳荘(山梨県山中湖村)
  • 徳島県那賀町
  • 兵庫県香美町小代区
  • 長野県大町市
  • 舞子スノーリゾート(新潟県南魚沼市)
  • 石川県白山市
  • 淡路島マンモス(兵庫県淡路市)

このサービスに参画する自治体や企業が今後増えることで、地方の魅力が新たな視点で伝わり、地方活性化に繋がることだろう。

img:PR TIMES